2020.11.09
ニューノーマル時代に学ぶべきCI・戦略経営デザインの本質全3回特別集中講座オンライン(ウェビナー)のお知らせ
2018.01.10
《STRAMD》2018年度第9期生募集記念 公開シンポジウム(無料)のご案内
2017.01.16
《STRAMD》2017年度第8期生募集記念 公開シンポジウム(無料)のご案内
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人間にとって世界とは何でしょう。 人間は何を通して世界を認識しているのでしょう。言うまでもなく、人間は五感を通して世界を認識しています。逆に言えばその五感の感じられる範囲内でしか認識できないとも言えます。今回中川先生が我々に見せてくれた“スーパー・センシング”は人類に未知の感覚領域を授け、冒頭の問いの答えを大きく変貌させるものです。 … スーパー・センシングということで、まさに“スーパー”なセンサーを先生は紹介・実演してくださいました。小指の先よりも小さく薄い機器、それを椅子のクッションの下に置き、被験者はその上に座り普通の生活を送る。その被験者がノートパソコンを開く、マウスを動かす、同僚と会話をする、スマホをいじる、咳をする…全ての行動は振動と電位の増減を伴います。センサーはどんな微細な変化もキャッチし、リアルタイムで振動・電位のパターンの解析をします。解析はもちろんAIが行い(1秒間に3600回もの演算を行うそうです)、学習を繰り返し、あっという間に知見が蓄積されていき、センサーを通して被験者が何をしているかほぼ100%分かるようになるそうです。それどころか、被験者周辺のみならずその部屋で起きることすべて感知できるそうで、その精度は凄まじく、部屋の隅から虫が侵入したことも認識できるそうです(センサーを椅子の座面に置いていても!)。我々生徒一同はそのセンサーのデモンストレーションに大きく驚かされ、ただただ嘆息するばかりでした。 センサーにもいろいろあり、というより、センサー“される”ものは世の中にたくさんあり、振動や電位のみならず、wi-fiの電波なんかも利用することができるそうです。Wi-fiの電波はすでに世の中を飛び回っているので感知できるセンサーさえあれば、例えば壁を隔てた隣の部屋の中の様子も詳細に把握することができるそうです。 さてこの凄まじいセンシング技術はどのように応用されるのでしょう? 先生は様々な可能性をお話してくださいましたがその中で一番興味深かったのが、「AIが体を持つ」ということです。 たしかにAIが人間で言う脳にあたるとして、脳だけでは世界を知ることはできません。人間からのインプット、もしくはインターネットで情報を取り入れることでしか世界を知ることはできません。 AIは現在基本的にはパソコンの中に存在し、言うならば人間の脳にあたると言えます。体は体でこれからロボットのボディが担うかもしれませんが、そこに感覚器に相当するものが無ければ脳は外界から情報を取り入れることができません。そこにセンシング技術が活用されたならば、AIは真に体を手に入れることとなるでしょう。そしてその感覚器が凄まじいので、AIにとって世界は人間が認識しているよりはるかに広く、深いものになるのではないでしょうか。さらにはその膨大で精緻な情報量をAI同士が共有して学習に活用したら、それはもう全知全能の神のごとき存在に… また先生はスーパーセンシング技術がひらく未来を見せてくれた一方で、この技術がミリタリーのことに使われないように注意しないといけない、との認識も示されました。 いずれにしろ、新しい技術によって未来のシナリオが大きく変わる、その胎動を目の当たりにした思いです。
人間にとって世界とは何でしょう。
人間は何を通して世界を認識しているのでしょう。言うまでもなく、人間は五感を通して世界を認識しています。逆に言えばその五感の感じられる範囲内でしか認識できないとも言えます。今回中川先生が我々に見せてくれた“スーパー・センシング”は人類に未知の感覚領域を授け、冒頭の問いの答えを大きく変貌させるものです。
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スーパー・センシングということで、まさに“スーパー”なセンサーを先生は紹介・実演してくださいました。小指の先よりも小さく薄い機器、それを椅子のクッションの下に置き、被験者はその上に座り普通の生活を送る。その被験者がノートパソコンを開く、マウスを動かす、同僚と会話をする、スマホをいじる、咳をする…全ての行動は振動と電位の増減を伴います。センサーはどんな微細な変化もキャッチし、リアルタイムで振動・電位のパターンの解析をします。解析はもちろんAIが行い(1秒間に3600回もの演算を行うそうです)、学習を繰り返し、あっという間に知見が蓄積されていき、センサーを通して被験者が何をしているかほぼ100%分かるようになるそうです。それどころか、被験者周辺のみならずその部屋で起きることすべて感知できるそうで、その精度は凄まじく、部屋の隅から虫が侵入したことも認識できるそうです(センサーを椅子の座面に置いていても!)。我々生徒一同はそのセンサーのデモンストレーションに大きく驚かされ、ただただ嘆息するばかりでした。
センサーにもいろいろあり、というより、センサー“される”ものは世の中にたくさんあり、振動や電位のみならず、wi-fiの電波なんかも利用することができるそうです。Wi-fiの電波はすでに世の中を飛び回っているので感知できるセンサーさえあれば、例えば壁を隔てた隣の部屋の中の様子も詳細に把握することができるそうです。
さてこの凄まじいセンシング技術はどのように応用されるのでしょう?
先生は様々な可能性をお話してくださいましたがその中で一番興味深かったのが、「AIが体を持つ」ということです。
たしかにAIが人間で言う脳にあたるとして、脳だけでは世界を知ることはできません。人間からのインプット、もしくはインターネットで情報を取り入れることでしか世界を知ることはできません。
AIは現在基本的にはパソコンの中に存在し、言うならば人間の脳にあたると言えます。体は体でこれからロボットのボディが担うかもしれませんが、そこに感覚器に相当するものが無ければ脳は外界から情報を取り入れることができません。そこにセンシング技術が活用されたならば、AIは真に体を手に入れることとなるでしょう。そしてその感覚器が凄まじいので、AIにとって世界は人間が認識しているよりはるかに広く、深いものになるのではないでしょうか。さらにはその膨大で精緻な情報量をAI同士が共有して学習に活用したら、それはもう全知全能の神のごとき存在に…
また先生はスーパーセンシング技術がひらく未来を見せてくれた一方で、この技術がミリタリーのことに使われないように注意しないといけない、との認識も示されました。
いずれにしろ、新しい技術によって未来のシナリオが大きく変わる、その胎動を目の当たりにした思いです。