2020.11.09
ニューノーマル時代に学ぶべきCI・戦略経営デザインの本質全3回特別集中講座オンライン(ウェビナー)のお知らせ
2018.01.10
《STRAMD》2018年度第9期生募集記念 公開シンポジウム(無料)のご案内
2017.01.16
《STRAMD》2017年度第8期生募集記念 公開シンポジウム(無料)のご案内
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ゴールデンウィーク明けの5月最初の講義は、中西元男先生の「戦略経営デザイン論2」から始まりました。中西先生のご講義は4月のオリエンテーションを含めると今回で3回目となり、より実践的・具体的なCI(Corporate Identity)の理念へと踏み込まれていきました。 「経営者に理解されるデザイン理論 経営者に採用されるデザイン手法 を開発する」 その想いが、中西先生の原動力であるといいます。中西先生は1968年にPAOSを設立され、アメリカで多くの企業を取材された後に1971年「DECOMAS」を出版されました。講義中に回覧された本書の誌面には、「IBM」や「Coca Cola」の貴重な写真が掲載されていて、今もなお斬新で魅力的な各社の風景に目を奪わられました。当時、Product Orientedの時代からMarketing Orientedの時代への移行期であり、まさにその先頭に立ったのがそれらの企業だったそうです。講義中はDECOMASをゆっくり見ることはできませんでしたが、図書室で閲覧可能だそうですので、後日じっくり拝読してみたいと思います。 本書を通じて日本にCIを浸透させた功績から、PAOSには多くの企業の信頼と依頼が寄せられたそうです。中西先生が手がけられた数多くの実績の中で、受講生のレポートから「学びたい」という要望があった事例を今後の講義の中でご紹介いただけるとのこと、今回の講義では「早稲田大学」についてうかがいました。2007年に創立125周年の記念事業として、早稲田大学のUI(University Identity)が確立されました。角帽を単純化したシンボル、大隈講堂をモチーフとしたエンブレム。象徴を極限までシンプルに最適化したそれらの作品を見ると、創り手がどれほど依頼主の本質を掘り下げて理解しているのかが伝わってきます。私自身も企業として顧客に役立つ商品創造に取り組んでいますが、顧客のニーズや本質を的確に理解して、余分な機能は極力削ぎ落とし、単純化・シンプル化して形づくることが大切なのだと実感しました。 「デザインとは何か?」 講義の後半に、中西先生はそんな問いを投げかけられました。バウハウスの創設者Gropius氏は「あらゆる分野の共通公分母」と解きました。イタリアデザインの第一人者Sottsass氏は「人に花を贈るようなもの」と語りました。そして中西先生は「各分野の知的美的融合機能/融通無碍なるもの」とおっしゃいました。成長時代から成熟時代へと移行し、経営課題はますます複雑化しています。ピラミッド型(工業化時代)からマトリックス型(情報化時代)へ、そして現在はクラウド型(高度情報通信時代)へ。複雑系を制御するにはAIが強力な武器になりますが、しかし結局「自分にとって何が大切なのか」という本質がわかっていなければ、AIは解を出すことができないのだそうです。中西先生が示された「核・拡デザイン」の概念図は、そんな複雑で開放された時代を生き抜く羅針盤のように感じました。まだ私にはその図の意味を完全に理解することはできませんが、これからの講義の積み重ねによって、少しずつ自分のものになっていけば良いなと願っています。 講義後はいつもの通り、受講生から多くの質問が投げかけられました。じつはこの日は有志で飲み会が予定されていたため、場所を移動し、お酒を交わしながら、その後も中西先生と受講生のディスカッションは夜遅くまで尽きませんでした。先生方や受講生の方々のお話から、毎回私も様々なことに気づき、心に響く言葉をたくさんいただいています。これからも一つ一つの講義を、大切に受講していきたいと思います。
ゴールデンウィーク明けの5月最初の講義は、中西元男先生の「戦略経営デザイン論2」から始まりました。中西先生のご講義は4月のオリエンテーションを含めると今回で3回目となり、より実践的・具体的なCI(Corporate Identity)の理念へと踏み込まれていきました。
「経営者に理解されるデザイン理論 経営者に採用されるデザイン手法 を開発する」
その想いが、中西先生の原動力であるといいます。中西先生は1968年にPAOSを設立され、アメリカで多くの企業を取材された後に1971年「DECOMAS」を出版されました。講義中に回覧された本書の誌面には、「IBM」や「Coca Cola」の貴重な写真が掲載されていて、今もなお斬新で魅力的な各社の風景に目を奪わられました。当時、Product Orientedの時代からMarketing Orientedの時代への移行期であり、まさにその先頭に立ったのがそれらの企業だったそうです。講義中はDECOMASをゆっくり見ることはできませんでしたが、図書室で閲覧可能だそうですので、後日じっくり拝読してみたいと思います。
本書を通じて日本にCIを浸透させた功績から、PAOSには多くの企業の信頼と依頼が寄せられたそうです。中西先生が手がけられた数多くの実績の中で、受講生のレポートから「学びたい」という要望があった事例を今後の講義の中でご紹介いただけるとのこと、今回の講義では「早稲田大学」についてうかがいました。2007年に創立125周年の記念事業として、早稲田大学のUI(University Identity)が確立されました。角帽を単純化したシンボル、大隈講堂をモチーフとしたエンブレム。象徴を極限までシンプルに最適化したそれらの作品を見ると、創り手がどれほど依頼主の本質を掘り下げて理解しているのかが伝わってきます。私自身も企業として顧客に役立つ商品創造に取り組んでいますが、顧客のニーズや本質を的確に理解して、余分な機能は極力削ぎ落とし、単純化・シンプル化して形づくることが大切なのだと実感しました。
「デザインとは何か?」
講義の後半に、中西先生はそんな問いを投げかけられました。バウハウスの創設者Gropius氏は「あらゆる分野の共通公分母」と解きました。イタリアデザインの第一人者Sottsass氏は「人に花を贈るようなもの」と語りました。そして中西先生は「各分野の知的美的融合機能/融通無碍なるもの」とおっしゃいました。成長時代から成熟時代へと移行し、経営課題はますます複雑化しています。ピラミッド型(工業化時代)からマトリックス型(情報化時代)へ、そして現在はクラウド型(高度情報通信時代)へ。複雑系を制御するにはAIが強力な武器になりますが、しかし結局「自分にとって何が大切なのか」という本質がわかっていなければ、AIは解を出すことができないのだそうです。中西先生が示された「核・拡デザイン」の概念図は、そんな複雑で開放された時代を生き抜く羅針盤のように感じました。まだ私にはその図の意味を完全に理解することはできませんが、これからの講義の積み重ねによって、少しずつ自分のものになっていけば良いなと願っています。
講義後はいつもの通り、受講生から多くの質問が投げかけられました。じつはこの日は有志で飲み会が予定されていたため、場所を移動し、お酒を交わしながら、その後も中西先生と受講生のディスカッションは夜遅くまで尽きませんでした。先生方や受講生の方々のお話から、毎回私も様々なことに気づき、心に響く言葉をたくさんいただいています。これからも一つ一つの講義を、大切に受講していきたいと思います。