2015年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2015年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

エモーショナルビジネスデザイン論3

日付
2015年10月28日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:青柳 好典


「顧客は1/4インチのドリルが欲しいわけではない。1/4インチの穴が欲しいのだ」

ビジネスにおいて、この「1/4インチの穴」を顧客視点で発見し、
顧客に提供することが、成熟期の現在に求められている。
特に「1/4インチの穴」が顕在的顧客欲求ではなく、
潜在的顧客欲求である場合は、
アップルのように、ビジネスにおける効果は大きい。

今回のエモーショナルビジネスデザイン論3において、
この「1/4インチの穴」を発見できるヒントを得たような気がする。
下記に今回の講義の要点を記載する。



●ビジネスモデルキャンパス
ビジネスモデルキャンパスとは?
ビジネスモデルの各々の要素、考え方をシンプルな形にまとめて、
実践に即したフレークワークにまとめ上げたワンペーパーのキャンパスマップである。
参照図書:ビジネスモデルジェネレーション 著:アレックス・オスターワルダー&イヴ・ピニュール

ビジネスモデルキャンパスの使用方法は、
既存ビジネスの場合は、既存のビジネスモデルの可視化する際に活用できる。
自分の現在の既存ビジネス環境をこのキャンパスに当てはめてみたが、
すぐにビジネスモデルの要素が頭に浮かばない。
常日頃、いかに経営要素を意識していないことがよくわかる。

新規事業においては、将来のあるべき姿を考え、要素を当てはめ、
新たなビジネスモデルを創造するのに有効なツールだ。
詳細は、参照図書に詳しく記載されているので是非一読を。



●ユニークな顧客価値をデザインする
潜在的顧客欲求を発見することは、すなわち、
ユニークな顧客価値をデザインするである。
そのキー要素は、CS(顧客満足)とVP(価値提案)を一致させることである。
そこで意識すべきことは、「ジョブは何か?」を顧客視点で意識することだ。
このジョブとは、要は「顧客が本当にやりたいこと」と翻訳すればわかりやすいと思う。
成熟期の現在、日本企業でありがちな、過剰品質、過剰性能は、顧客視点でのジョブではない。

顧客ジョブをビジネスに採り入れた成功例として、
スターバックスでの顧客ジョブ  →  コーヒー以上に、顧客の時間の過ごし方を店舗で体験する
星野リゾートでの顧客ジョブ  →  地域の文化、食材を体験する
プリウスの顧客ジョブ  →  エコを意識すること
等々である。
成熟市場において、未解決顧客ジョブを発見すれば、成長もありうるというわけだ。

この顧客ジョブを(破壊的)イノベーションとし記載されている書籍があるので、
興味がある方は是非一読を。
参考図書:イノベーションのジレンマ 著:クレイントン・クリステンセン



●新規事業の開発モデルプロセス
従来の新規事業の開発プロセスは、

コンセプト → 開発 → テスト → 発売

の順序が定石であった。
しかし、多様化社会の現在は、このモデルが予想通り行かないことが多い。
有効な新規事業開発プロセスとして、机上の理論よりは、仮説と実験を早期に繰り返し、
小さな失敗を早期に体験し、後戻りができる下記の開発モデルが有効とのことだ。

( デザイン → テスト ) x 数回 → 開発 → 発売

デザイン、テスト間で何度も試行錯誤を繰り返し、
顧客の潜在欲求を発見することが出来れば、
新規事業の成功のチャンスは大きい。
IDEOのトム・ケリーも同様のことを言っている。


※河野先生、ありがとうございました。

 

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