2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

社会性企業1

日付
2015年01月15日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:内田 翔

「社会性企業」
聞いたことのない言葉です。Googleで検索してもヒットしません。

STRAMDの(とくに中西先生の)講義においては、こういった「辞書に載っていない言葉」がしばしば登場します。
ウィトゲンシュタインは「言語の限界が思考の限界である」と述べますが、STRAMDのアプローチはその逆、「思考のステージを拡げるために新しい言葉を生み出していく」という発想であるように感じます。
(実際、前期プレゼン大会においても各グループからいくつかの「新しい言葉」が生まれました)


さて、講義の内容について。
まずは佐藤先生の自己紹介から始まりますが、早くもここで「ん?」という引っ掛かりを感じます。

佐藤先生はご自身のこれまでの人生を以下のように区切ります。
- 第1期:社会に育てられる(学生まで)
- 第2期:組織人として生きる(企業での25年間)
- 第3期:社会人として生きる(退職後?現在)

世間一般的には、大学などを卒業して企業に入るなり自営を始めるなりした段階で「社会人」と呼ばれると思いますが、佐藤先生はそこを「組織人」と「社会人」として区別します。

引っ掛かりを感じたまま講義の本編に突入。
まさにその引っ掛かりと呼応するように、冒頭から我々受講者に対してたたみ掛けるような質問が続きます。

「社会」とは何ですか?
「企業」とは何ですか?
「経済」とは何ですか?




当たり前に使ってきた言葉たちを再認識する作業。
企業の「社会性」や「経済性」について語る前に、そこで使う言葉をしっかりと定義するということ。
まさに頭のなかを一旦すべてひっくり返されるような感覚を覚えます。

「経済」とは元々、世の中を治め人民を救うことを意味する「経世済民」の略語。それがいつしか金銭的な意味合いで使われることが多くなってきている。

そういった「経済の変質、企業の変質、社会の変質」を受けて、
改めて
「企業にとっての社会とは?」
「社会にとっての企業とは?」
「企業価値とは?」
を問い直していきます。

(ここまでが3部構成の第1部。ものすごい密度の講義です)


第2部は「時代背景」について。
今後の企業のあり方を考える上での土台を分析します。

- 国別の仕事への意欲調査
- 国別の他人への信頼度調査
- 国内の精神疾患者数の推移
- 国内の自殺者の推移
など…

さまざまな「企業経営環境の変化」により
【経営における発想の転換】が必要になっているということ。

そこから、第3部「社会起業家(ソーシャル・アントレプレナー)」へと続きます。


第3部のポイントは2つ、
1.「ソーシャル」(社会の視点とは何か)
2.「アントレプレナー」(起業とはなにか)

それぞれの具体的な事例として
- ブロムレイ・バイ・ボウ(ロンドン)のまちづくり
- アメリカにおける住民一体型のまちづくり
が紹介されました。

そして、
??????
ソーシャル・アントレプレナーが目指したものは
これまでの「ビジネス」と何が違うのか?
??????
という問いを残して今回の講義は終了。


約2時間に渡り、途切れなく「問い」を浴びせられ続けたような感覚が残りました。
これまで受講した講義とはまた異なる「脳の部位」を刺激されたという感覚。

佐藤先生が講義の最初に仰っていた「ノイズを起こす」という言葉。
まさに自分の頭の中に、波長の違う電流が流れたようでした。

《STRAMD》

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