2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

日本文化とデザイン論4

日付
2014年10月08日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:北畑 栄

浮世絵の変遷を知り日本文化を理解する

内田先生は講義の前に日本のデザインの原点でもある「琳派」を知ることの大切さを強調された。
「都」が京都から江戸に移された後、古い「都」では文化の中心を再度京・大阪に取り戻そうと雅のルネッサンスと言われる「琳派」が興った。
そして新しい「都」となった江戸では、エネルギッシュな都市建設の中で日本文化を代表する「浮世絵」が誕生した。
日本文化を知るにはこの「琳派」と「浮世絵」を学ぶことがとても大切であるとする。

今日の講義は浮世絵である。
その誕生から、19世紀のヨーロッパの印象派の画家に大きな影響を与える時代までの歴史を辿る講義が始まった。私はプロジェクターで映し出される絵をスケッチし、先生のコメントをメモすることに必死であり、2時間があっという間に過ぎてしまった。

浮世絵誕生期の菱川師宣、懐月堂安度の立美人、鈴木晴信の雪中相合傘、鳥居清長、喜多川歌麿、鳥文斎栄之の美人画、謎多き写楽、歌川国芳の奇想天外なアイディア、そして葛飾北斎、歌川広重の代表的な浮世絵について先生独自の解説をうかがうことも出来た。

私は、浮世絵が日本を代表する文化であるとは知ってはいるが、今まで時間軸に沿って鑑賞することもなかった。しかし、実際の変化を感じ、そして天才絵師が起こす変革等を経て発展してきたことを実感し、大掴みながら流れを俯瞰できたと感じている。

19世紀までの西洋の絵画は宗教画や戦争画、貴族の肖像画等が中心であり重く暗い。しかし浮世絵のその大胆な構図や色彩の豊かさ、季節や天候、時間の一瞬を切り取ったかのような意匠は印象派と言われるようになる画家たちにとっては強烈な風であったろう。ゴッホは日本に憧れ、私の絵に日本(浮世絵)の影響を受けないものはないとまで言わしめるのである。

月並みではあるが、東洲斎写楽、葛飾北斎、歌川広重の浮世絵はその大胆な構図と線、非対称性、色彩の豊かさは何回見ても驚くばかりである。そして、これらの芸術家を持ち得た日本を誇りに感じるのである。

今、講義に出た浮世絵を再度ノートのスケッチを頼りにPCで再確認を行っている最中である。
いいものは何度観ても楽しいし新たな発見があるように感じる今日このごろである。

《STRAMD》

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