2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

日本文化とデザイン論2

日付
2014年07月24日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:北畑 栄

内田先生の「近代を疑ってみることが必要である。そこから何かが発想できるはずだ」とのお話には
多くの示唆が含まれている。
 西洋を真似る(学ぶ)事から日本の近代化は始まったと言われている。
しかし、今日において(西洋の)二元論的な思考だけでは限界があり、我が日本文化を深く理解することで
色々な分野での狭窄(きょうさく)状況を私達は脱することが出来るという。
私は日本文化の可能性を強く感じ、また誇らしく思えた。
 先生の「弱さの感覚」は、近代が最も嫌う曖昧なもの・・ぼやけたもの、霞んだもの、透けたもの、揺らいだもの・・
を感じ取りデザインする事であり、決して言葉通りの「弱さ」ではなく、むしろ肯定的に捉えることであると言う。
  
 私は今回の講義においても先生の貴重な言葉に感激し、ただ書き写すだけになってしまった。
例えば
 ・移ろうこと、変化することを容認する日本文化は世界的に見ても特異である。
 ・前文化的な記憶は世界の人々の共通言語である。
 ・日本の空間の特徴は空白の領域である。
 ・見えない何かが中間にある。
 ・明かりとは明るさだけではなくいい闇を作るものである。
これらはじっくりとかみしめたい言葉であると私は思う。

 先生の雑談の中で、茶室「受庵・想庵・行庵」のうちの一つが【丸の内フジビル:3×3Labo】に
展示されているとの情報を得た。
私は先生からお聞きした言葉のほんの一部でも実際に感じたいと考え、この茶室「受庵」の見学に出かけた。
(当然メジャーとスケッチブックは持参。)
 会場には先生のいくつかの作品(家具、オブジェ、照明)と一緒に「受庵」は皇居の緑に面した窓側に配置されていた。
夕方の光が竹で編んだスクリーン越しに深く内部空間に入り込み、床や茶器に不思議な影を落としている。
皇居の緑に日が掛かり辺りが少し薄暗くなるまで静かに座っている事が出来た。

私はスライドや書物からでは感じることが出来ない何かをほんの一部だが実感できたと思っている。

《STRAMD》

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