2013年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2013年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論10

日付
2014年01月16日 19:00~
場所
USTREAM STUDIO AOYAMA TOKYO 1st
受講生の感想

記:斎籐 陽介

今日はINAXの事例を軸とした講義。

中でも印象に残ったのは、INAX社が社会的な価値を創造しようと、当時本気で取り組んでいたことだ。

2000年代のから日本においてもCSRでの徐々に取り組みがはじまった。
はじめは、欧米の見様見真似で、事業活動を推進するうえで、社会に対して貢献しなければならないというCSRのコンセプトを
企業がしぶしぶ受けていれているようなフェーズ。そのフェーズでは、CSRは、企業の事業戦略とは別建てとされていた。
しかしながら、今ではCSRは、単なる「社会的責任」の枠をこえて、社会的な価値を創造することで、結果的に事業の経済的な成果も
ついてくると考えられはじめている。より戦略的にCSRを実施していこうとするフェーズだ。
現在、そうした考え方が、世の中に広まりつつあるが、INAX事例では、それを世間よりも何十年も先に実施し、イノベーションをおこし成功を収めている。

当時のINAX社長が、「社会が変われば企業も変わる」と社会的価値創造を優先的に考え、社員に対しても徹底的に意識づけしようとする
姿勢には感銘を覚えた。社会は常に変化することを常に念頭に置いていたからこそ、社会の動きをつぶさに観察することを怠らず、
今の社会のニーズにあう、新たな“トイレのあり方”を考案できたのではなかろうか。

一方で企業経営の難しさだと実感するのは、「経営者が変われば、組織文化も変わる可能性がある」という点だ。
良くも悪くも、社会的価値創造を含めて事業活動をトータルでデザインできるかはその時の経営者のリーダーシップ次第という印象をもっている。
仕事柄、日本の大手企業の経営理念を知ることが多いのだが、どこも“社会的な価値の創造”をとても重要視していて、
魅力的な理念をもっているところばかりだ。日本においては企業設立というのは、何等かの社会的な価値の創造を目的としていたのだろう。
しかしながら、それが形骸化してしまっているケースも珍しくない。

企業が事業活動を行う上で、経済性と社会性の両立がシビアにもとめられる現代において、
日本企業が自らの理念に立ち返り、理念に基づいた経営を実践し、それを長年維持すること
が非常に重要なのではないかと感じる。

《STRAMD》

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