2020.11.09
ニューノーマル時代に学ぶべきCI・戦略経営デザインの本質全3回特別集中講座オンライン(ウェビナー)のお知らせ
2018.01.10
《STRAMD》2018年度第9期生募集記念 公開シンポジウム(無料)のご案内
2017.01.16
《STRAMD》2017年度第8期生募集記念 公開シンポジウム(無料)のご案内
Copyright © 2010-2023《STRAMD》
頭をグシャグシャされて急にピコーンとひらめく感覚が楽しくて、時間をやりくりしながらSTRAMDに通ってます。なんと早6か月。何回グシャグシャされたことか。ただ、僕の脳ミソの容量ではそろそろ復習しないとピコーンってしなくなる気がしてます。大事なのは情報の整理の仕方・・・ と思っていた矢先の今回の授業のテーマは「イメージマーケティング」。過去教わって来た数々のノウハウを、太い戦略の上に据え付ける貴重な授業でした。僕が言ったとたんに稚拙な言葉になってしまうので、中西先生的な定義を書くと、重要なのは下記3点。 ① 企業の目立ち大作戦: 長期的な視野を持って、いかにドラマティックにやるか? ② 自社(者)を主役にする=他社(者)を脇役にする ③ プラスを出す以上にマイナスを出さない(=心地良く目立つ!) 実行する為には、感覚に訴求する様なマーケティングを実施し、暗黙知と形式知の真ん中にある、お客さんの「感判知」をくすぐることが大事―じゃあ、いったいどうやるの?で説明頂いた実例が「松屋銀座」です。PAOSのwebsiteにも載ってますが、売場面積を変えずに劇的に売上げを伸ばした成功例となりました。 <データ>売上高 1977年(Corporate Identity(CI)を刷新する直前)417億円⇒1978年(新CI初年度)432億円⇒1991年843億円 ※毎期平均20~30%の成長を達成! 売り場に活気が無い、かといってコストもかけられないという瀕死の状況でPAOSが施した外科手術は、CIや長期戦略から末端のプロジェクトまで多岐に渡ります。その中で、1978年に新CIを入れた前後1、2年の施策を便宜的に【幹】【枝】【葉】に分類して幾つか抜粋しました。 【幹】 Corporate Identity・長期戦略の再設定 【枝】 ストアプロモーション 【葉】 個別プロジェクト (1) 【幹】 CIの再設定 ●顧客第一主義からの脱却: 店は日曜日の昼間でも閑古鳥が鳴き、セール中との表示がそこら中に貼ってある状態。 ⇒ 百貨店の本質=にぎわいを取り戻す為には、「集客第一主義」が必要。 ●イメージターゲットの再設定: 前衛的な取組みを実施する文化があったがはっきりしてなかった ⇒ シティアダルト(30代オトナの女性)へと設定。華やかさ、繊細さを重視して女性を集め、そこにさらに集まる二次顧客(=男性若手~中年層)の集客も期待。 ●ロゴマークの刷新: 新宿等他地域に取られた顧客を銀座全体で取り戻す=「Matsuya Ginza」に。また従来のロゴは伝統あるがデザインとしてはむしろ重工業というイメージが強かった為に変更。 (2) 【枝】 ストアプロモーション ●商品の化粧箱: 売場毎にバラバラ ⇒ 標準化し、統一(コスト削減も図る)。 ●包装紙: 当時の百貨店は花柄などが主流 ⇒ イメージターゲットにふさわしい松屋用のフォントを開発し、白抜き文字を採用。こちらは通常よりコストをかけて印刷。色は青色と茶色の2種類を用意し、売場毎にどちらかの色を固定。同業他社の中でしっかり目立つだけでなく、店の中にも対立構造を作り、違いを際立たせた。(その後、袋の再利用が青色が多かった為茶色は廃止) ●広告・宣伝: 予算が無く有名モデルを起用出来ない ⇒ (1回目)野菜。野菜の写真をどアップで写し、食品の新鮮さをアピール。 (2回目)故人の有名人(マリリン・モンロー、エルヴィス・プレスリー等)のカレンダーやポスターの写真を撮り作品として広告に活用。(当時の肖像権の考え方のギリギリセーフをとった) (3) 【葉】 個別プロジェクト 松屋銀座の顧客は新し物好き。彼女たちをつなぎとめるには、絶え間ない仕掛けがいる。 ●Buyer’s Recommended: 普段表に出ないbuyerのオススメ商品をbuyerの写真と共に紹介 ●ギフトプロジェクト: パーソナルギフトに焦点を当て、贈り方・タイミングを提案 こういう中で当然反対派は居る訳です。多くは広報部や管理部だったそうで、故山中元社長の説得と、何より結果が数字で表れる様になりだんだん少なくなっていったそうです。例えばですが、こんな抵抗があったそうです。 【集客第一主義】 ⇔ 買わない客が1人増えることで、夏場は冷房費が○○円増える。買わないお客はいらない! 【白抜き文字包装紙】 ⇔ 白抜きにすると印刷費用が○○円増える。 【野菜の写真の広告】 ⇔ ポスター・看板入替えの作業員を、管理部門が勝手にキャンセル。 ※中西先生曰く、「当事者意識が消え、経費発想になってしまった」管理部門は不調企業の典型だとの事。 今回の授業を振りかえって気づいたのは、実はこういう弱気の企業はどこにでもあるし、今日似たような施策を実行している企業もたくさんある、という事。例えば、「Buyers Recommended」なんて、業界問わずやっている訳です。それでも、同じ立地の同業百貨店が閉鎖する最中、それでも松屋銀座が今日でも先鋭的に価値を提供できている理由は基本戦略の徹底、つまり、ゆるぎない太い【幹】と支える【枝】【葉】との連動にあります。刷新した会社のidentityを、末端の施策にまでしっかりと浸透させて強いイメージ生み出し続ける・・そんな当たり前の事が重要なのではと、改めて気づかされました。 怖くなったのが、では自分は?と振り返った時。はたして、自分自身に揺らぐことのない大きな幹があるのか?・・・答えは100%NO!なので、地道にやっていこうと思っています。
頭をグシャグシャされて急にピコーンとひらめく感覚が楽しくて、時間をやりくりしながらSTRAMDに通ってます。なんと早6か月。何回グシャグシャされたことか。ただ、僕の脳ミソの容量ではそろそろ復習しないとピコーンってしなくなる気がしてます。大事なのは情報の整理の仕方・・・


と思っていた矢先の今回の授業のテーマは「イメージマーケティング」。過去教わって来た数々のノウハウを、太い戦略の上に据え付ける貴重な授業でした。僕が言ったとたんに稚拙な言葉になってしまうので、中西先生的な定義を書くと、重要なのは下記3点。
① 企業の目立ち大作戦: 長期的な視野を持って、いかにドラマティックにやるか?
② 自社(者)を主役にする=他社(者)を脇役にする
③ プラスを出す以上にマイナスを出さない(=心地良く目立つ!)
実行する為には、感覚に訴求する様なマーケティングを実施し、暗黙知と形式知の真ん中にある、お客さんの「感判知」をくすぐることが大事―じゃあ、いったいどうやるの?で説明頂いた実例が「松屋銀座」です。PAOSのwebsiteにも載ってますが、売場面積を変えずに劇的に売上げを伸ばした成功例となりました。
<データ>売上高
1977年(Corporate Identity(CI)を刷新する直前)417億円⇒1978年(新CI初年度)432億円⇒1991年843億円 ※毎期平均20~30%の成長を達成!
売り場に活気が無い、かといってコストもかけられないという瀕死の状況でPAOSが施した外科手術は、CIや長期戦略から末端のプロジェクトまで多岐に渡ります。その中で、1978年に新CIを入れた前後1、2年の施策を便宜的に【幹】【枝】【葉】に分類して幾つか抜粋しました。
【幹】 Corporate Identity・長期戦略の再設定
【枝】 ストアプロモーション
【葉】 個別プロジェクト
(1) 【幹】 CIの再設定
●顧客第一主義からの脱却: 店は日曜日の昼間でも閑古鳥が鳴き、セール中との表示がそこら中に貼ってある状態。 ⇒ 百貨店の本質=にぎわいを取り戻す為には、「集客第一主義」が必要。
●イメージターゲットの再設定: 前衛的な取組みを実施する文化があったがはっきりしてなかった ⇒ シティアダルト(30代オトナの女性)へと設定。華やかさ、繊細さを重視して女性を集め、そこにさらに集まる二次顧客(=男性若手~中年層)の集客も期待。
●ロゴマークの刷新: 新宿等他地域に取られた顧客を銀座全体で取り戻す=「Matsuya Ginza」に。また従来のロゴは伝統あるがデザインとしてはむしろ重工業というイメージが強かった為に変更。
(2) 【枝】 ストアプロモーション
●商品の化粧箱: 売場毎にバラバラ ⇒ 標準化し、統一(コスト削減も図る)。
●包装紙: 当時の百貨店は花柄などが主流 ⇒ イメージターゲットにふさわしい松屋用のフォントを開発し、白抜き文字を採用。こちらは通常よりコストをかけて印刷。色は青色と茶色の2種類を用意し、売場毎にどちらかの色を固定。同業他社の中でしっかり目立つだけでなく、店の中にも対立構造を作り、違いを際立たせた。(その後、袋の再利用が青色が多かった為茶色は廃止)
●広告・宣伝: 予算が無く有名モデルを起用出来ない ⇒
(1回目)野菜。野菜の写真をどアップで写し、食品の新鮮さをアピール。
(2回目)故人の有名人(マリリン・モンロー、エルヴィス・プレスリー等)のカレンダーやポスターの写真を撮り作品として広告に活用。(当時の肖像権の考え方のギリギリセーフをとった)
(3) 【葉】 個別プロジェクト
松屋銀座の顧客は新し物好き。彼女たちをつなぎとめるには、絶え間ない仕掛けがいる。
●Buyer’s Recommended: 普段表に出ないbuyerのオススメ商品をbuyerの写真と共に紹介
●ギフトプロジェクト: パーソナルギフトに焦点を当て、贈り方・タイミングを提案
こういう中で当然反対派は居る訳です。多くは広報部や管理部だったそうで、故山中元社長の説得と、何より結果が数字で表れる様になりだんだん少なくなっていったそうです。例えばですが、こんな抵抗があったそうです。
【集客第一主義】 ⇔ 買わない客が1人増えることで、夏場は冷房費が○○円増える。買わないお客はいらない!
【白抜き文字包装紙】 ⇔ 白抜きにすると印刷費用が○○円増える。
【野菜の写真の広告】 ⇔ ポスター・看板入替えの作業員を、管理部門が勝手にキャンセル。
※中西先生曰く、「当事者意識が消え、経費発想になってしまった」管理部門は不調企業の典型だとの事。
今回の授業を振りかえって気づいたのは、実はこういう弱気の企業はどこにでもあるし、今日似たような施策を実行している企業もたくさんある、という事。例えば、「Buyers Recommended」なんて、業界問わずやっている訳です。それでも、同じ立地の同業百貨店が閉鎖する最中、それでも松屋銀座が今日でも先鋭的に価値を提供できている理由は基本戦略の徹底、つまり、ゆるぎない太い【幹】と支える【枝】【葉】との連動にあります。刷新した会社のidentityを、末端の施策にまでしっかりと浸透させて強いイメージ生み出し続ける・・そんな当たり前の事が重要なのではと、改めて気づかされました。
怖くなったのが、では自分は?と振り返った時。はたして、自分自身に揺らぐことのない大きな幹があるのか?・・・答えは100%NO!なので、地道にやっていこうと思っています。