2012年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2012年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論13

日付
2012年12月04日 19:00~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
文化オリエンティッド理念経営のシンボルベース:ベネッセ
受講生の感想

記:本橋 徹也

記:本橋徹也

「企業の文化戦略」

その起源と、実践が本日のテーマ。
「戦略経営デザイン論」 第13回は、質疑への対応後、
日本型CI (コーポレート・アイデンティティ) の開発者 「中西元男」 先生の若き日の触発からはじまった。

「企業の文化戦略」 は、STRAMDが提唱する
「日本型CI (核・拡デザイン)」 の6軸のひとつ 「文化的・環境的価値のデザイン」 にあたる。

その起源は、
「我々は、社会に対して物質的な貢献をすると同時に、道義的、文化的貢献をも果たさなければならない」
という、「オリベッティ (伊:Olivetti/1908年創業) 社」 の企業理念に求められる。

「オリベッティ社」 は、そうした理念のもとで
地域社会のなかに経営者の経営哲学、人間観を、デザインや造形思想を以て浸透させている。
このブログは、その足跡を振り返ることが目的ではないが、わが国の企業が置かれた現状を鑑みると、
オリベッティ社の歴史をひもといていくことは、大変意義のあることと思う。

企業経営というものが崇高さと気高さを持つとすれば、「オリッベッティ社」 が嚆矢と考えてよさそうだ。
興味のある方は、「中西」 先生の著書 「DECOMAS (1971年発行)」 をご一読いただきたい。

ともあれ、「オリベッティ社」 の思想に触発され、
自らのコンサルティングの軸のひとつに 「企業の文化化」 を加えた 「中西」 先生は、
1979年、ベネッセコーポレーション (当時:福武書店) の第一次CIのなかで具体的な企業指針として示された。
この考え方は、後に彼らのアート活動 「ベネッセアートサイト直島」 へと繋がり花開いていくことになる。
講義では、日本型CIのケーススタディとして、そうした 「文化化」 とともに示された 「国際化」 「情報化」 や、
ベネッセコーポレーションの第二次CIの骨子 「事業企業」 「人間企業」 「地球企業」、
さらには、成長プロセスや具体的事例などについても触れられたが、詳細は省略させていただく。

「中西」 先生の著書を、ほぼ拝読している私としては、
本を読むのと、直接講義を受けるのとでは、お腹への落ち方がまるで違うということを記しておきたい。
その理由のひとつとして、参考資料の配布が挙げられる。
本日いただいた資料は、1974年に 「中西」 先生が 「中央公論 経営問題特集号」 に寄稿した記事の抜粋である。

配布された資料には、「試論 企業の文化戦略」 という題名の脇に、
「企業はどこにアイデンティティを求めるべきか。新しい状況に即応し文化戦略を提言する」
という要約した文章が置かれている。
内容は、序論として 「イメージ尺度が現れはじめた」 があり、
本論として 「いかに多く感じさせる企業か」 「商品の情報化から企業の情報化へ」
「コーポレートアセスメントの時代」 などが綴られている。
そして結論として 「企業は文化機関でもあるべきだ」 とある。

こうしてインデックスだけ抜粋しても、
決して古くない、現代の企業にも当てはまる考え方であることがわかる。
いずれにせよ、昨今CSR (企業の社会的責任) なるものがもてはやされているなかで、
今から38年も前に 「企業の文化化」 を唱えていた事実には驚かされる。
同時に、STRAMDの今後の方向性、その講義を受講する私たちのミッションについても考えさせられる。
その答えを、後期研究テーマのプレゼンテーションで示したいと思う。


最後に、講義の前半、長い時間を割いて
私の質疑 (CIC/コーポレート・アイデンティティ・コスモスについて) へ対応してくださった
「中西」 先生に対して、この場をおかりして感謝を申し上げたい。


デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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