2012年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2012年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

日本文化とデザイン論4

日付
2012年11月29日 19:00~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
デザインによる地域環境イメージの変換 ホテルイル・パラッツォ/門司港ホテル
受講生の感想

記:高島 夏子

内田先生の、待ちに待った後期の授業。
第一日目。
「いいかい、デザインを本気でやったら事件になるんだよ。」
内田先生のこの言葉から授業ははじまった。

今回の事件は福岡にある二つのホテル。
・ホテル・イル・パラッツォ(福岡県福岡市中央区春吉)
・門司港ホテル(福岡県福岡県北九州市門司区港町)
それぞれのホテルの建つ場所は、当初あやしげな環境であったり、時代の役目を終えて
まるで息をひそめているようなひっそりとした街だった。
それらの街をデザインの力を使って一気に変える。
あるいは蘇らせるという目的が課せられていた。
そのための戦略をどう立てて、どう実現していくのか。

この二つのホテルは内田先生とアルド・ロッシ、その他著名なデザイナー達によって
創造された。
結果として、ホテル・イル・パラッツォはあやしげな街の環境を変え、門司港ホテルは
街の息を吹き返し地元の人々の自慢のホテルとなった。
ホテルを利用する人・その街に住む人々の心と向き合い、街そのものとも向き合い
創造されたホテルは時間を経て、街の文化となっていく。
これは、ホテルにおけるデザイン事件だった。
内田先生が関わる一流の人々とのエピソードは、誠実で探究心と遊び心にあふれ、
建物はただならぬ存在感と共に、街にとけ込んでいるように見えた。
なぜそう見えるのか・・・。
実際に本物を体験しなくてはならないだろう。 

先生の講義は前期から毎回楽しみで、その内容は当然興味深く優しく柔らかな
刺激を頂戴し続けてきたが、何よりもチャーミングさに心奪われてきた。
豊かな創造はデザイナー自身の豊かな人生観・思想・人間性が
あってこそなのだなと感じた。
あたり前の事かもしれないが、デザイナーの端くれである私には発せられる
言葉のひとつひとつが心にしみ、気持ちは柔らかくなり、自分の仕事の励みとなった。
温かいお言葉に感謝でいっぱいです。
ありがとうございました。

《STRAMD》

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