2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

課題指導

日付
2010年08月04日 00:00~
場所
株式会社中西元男事務所
受講生の感想

記:間瀬 裕士

第31回 記:間瀬裕士

STRAMDは夏休み。講義はありませんが各チームは9月の発表に向けてそれぞれが課題に取り組んでいます。テーマは「百貨店の活性化」。我々Aチームもメンバー内でのブレストを行ったところで、今後の進め方について中西先生からご指導いただきました。

STRAMD受講生としては前期に得た知識や刺激を、今回の課題に対して最大限活用したいところです。時間が限られていますし我々はコンサルタントでもありませんからヴォリュームのある提案は出来ないとしても、発想や切り口、ヴィジョンに対してはSTRAMD的な答えを考えたいと思っています。チーム内でも「とにかく楽しくやりたいですね。」というところからスタートしました。

「私はいつもルミネに行く。」「ルミネって百貨店だっけ?」チーム内でブレスト中の会話です。業界の方に質問すればその違いを説明してもらえるのかもしれませんが、本質的に場所貸し業である百貨店と小売業として高度化した駅ビルとの違いは消費者から見れば非常に曖昧なものです。今回の課題は日本の百貨店業全体を扱うもよし、具体的な店舗の活性化策でもよしとなっていますが、いずれにしても「そもそも百貨店とは何なのか」の本質に立ち返らざるを得ません。

Aチームでは現在、活性化策の具体的なイメージの源泉として百貨店スタッフと顧客とのコミュニケーションのあり方、あるいはそれが行われる場をより良いものにできないか議論しています。顧客が必要とする商品知識や情報、商品選択の際の悩みの解決、あるいは豊かな買い物時間の提供などなど、ブレスト時に思いつく限りのことをポストイットに書き出してみました。それを整理して貼り出したものを中西先生には見ていただきました。

着想は老舗百貨店のもつ外商機能を発展させ更に広いターゲット層に展開できないかというところからです。まだまだチームでの議論はこれからですが、これを固定顧客作りにつなげるビジネス展開として、あるいはその顧客の購入単価を増加するモデルとして考えてみたいというところです。

さて、中西先生からのお話です。指導いただく内容も作業の段階に応じて終盤ではプレゼンの方法にも及ぶかもしれないとのことでしたが、出だしの今時点でAチームがいただいたのは検討作業の根本的なところです。要約すれば「百貨店とは小売業としてどのような存在なのかを構造的にとらえなければならない。ビジネスの切り札としてこの構造を明確にすることが基本にあり、次にサービスや商品がどうあるべきかという問題がある。顧客志向の提案が単なるアイデア出しに陥らないよう注意して今後の検討をすすめてもらいたい。」

先生ありがとうございました。最も根本的なところをズバリおっしゃっていただきました。お話は十分に理解しましたが、やはりこれはかなり難しいお題です。。現在の百貨店経営者の中にも明確な答えがないのかもしれませんが、STRAMD受講生なりに残された時間考えてみたいと思います。

本題が終わった後は引続き懇親会になりました。今回は青山にある先生の事務所が会場でしたが素晴らしいところです。大きな窓や邸宅風のインテリアもいいですが、書棚に並ぶPAOSが手がけてきたCI計画の貴重な資料は宝の山です。手元に広げて見せていただきましたが、今見ても色あせないコンテンツにはあらためて感心させられました。

今後ともよろしくお願いします。

受講生の感想

記:村上 憲一

第32回 記:村上 憲一

Strategic Management Design《STRAMD》(戦略経営デザイン)の前期を終えて。

この不確かな時代、社会から何を求められ、私達はどこへ向かうべきか?を思考できる能力を身につけたいと考え、STRAMDを受講している。

大量生産・大量消費を繰り返してきた20世紀から、「人や文化」を重視し、豊かさの意味も大きく変化してきた21世紀。「人や文化」にとって良い環境や経済社会を創造するには、これまでの経済学理論や過去の経験の延長線上にはない、全く新しいアプローチでの創造が必要となる。そのひとつがDesign Thinkingであり、人間の深層心理に訴求するデザイン思考を行うこと。物や事をデザインすることから、会社経営や経済を動かす重要な役割をも果たす。

講義の回を重ねる度に、経営をするときも、物を創作するときも、自分が「美しい」と思う方向へ進むことで、新しい時代での自分のあり方が見えてくるような感じがする。~

前期の授業で印象的だったのは、中西先生の戦略経営デザイン論で学んだ「起業と蘇業」「欲識をもって物事を見ること」、益田先生のサステナブルデザインの講義で学んだ「Back&castingによる時代の捉え方」、佐藤先生の「社会性企業の意義と戦略」、内田先生の日本文化論における「強さと弱さのデザイン」など、初めて聞く言葉・造語が沢山出てきて大変興味深く勉強になる。~

講義を受けていくうちに、これらの全講義が一貫して「知的・美的」発想であり、深層心理的美意識に裏打ちされているということを感じる。どの分野においてもDesign Thinkingで導き出された教えは美しいのであろう。

《STRAMD》の講義では、自己の感性や直観力を日々磨くことに始まり、現場での観察力や審美眼を体得し、そして仮説策定からこの変革の時代にどの方向へ進むべきかを思考する術を学ぶ。そして、授業で学んだものをいかにアウトプットしていくかが今後の大きな課題である。~

毎週、札幌から通学している私は、会社へ戻り若いスタッフへ学んできたことを伝えている。彼らが時代を変革していく立役者なので、彼らに《STRAMD》で学んだものを伝えていくことが私の大切な役割だと思っている。講義でインプットされた新鮮な知識は、現在進めているプロジェクトを通して既に実践しており、自社のイノベーションに向けて役立てている。~

最後に、この《STRAMD》というニュー・ビジネススクールが、今、社会的に必要とされていることを見通し、変革の時代の実力者の人材育成のために数年掛けて立ち上げたられたこと自体、まさしくDesign Thinkingである。

後期も自分自身をデザインしていき、“デザイナー”から“デザイニスト”になれるよう心掛けたいと考えている。

受講生の感想

記:若林 正

第33回 記:若林 正

今日は中西先生の事務所での課題指導だ、我々Cチームは2組目?の訪問者となる。

課題解決にあたり、他のチームの状況もかなり気になる所だが、あえて知らない方がそれぞれのチームの特色を出せるものと思い、色々と先生から聞き出したい気持ちをぐっと抑えてディスカッションへ臨んだ。(なので、ご指導頂いた内容に関しては記さずに. . .)

日々仕事に追われなかなか取れない時間を何とか捻出して集まって来ている為、少しでも解決策のヒントを引き出そうと皆かなり積極的だ。自らが進んで足がかりをつくれればと骨組みを考えて来たり、まとめ役を買って出てくれたりとで. . . 、果たして、自分は何が出来るかと気ばかりが焦ってしまう。普段の授業とは全く異なった空間で、さらには参考になる資料も山ほどある環境の中でのディスカッション、自然と会話が盛り上がるのも当然だ。

貴重な資料の現物を見せて頂きながらのアドバイスには興奮を抑えられなかった。自分の話した言葉の切れ切れが、きちんとコンセプトになってプレゼンテーション資料としてまとめられていたりを目の当たりにして、さらに自分の頭を悩ます様になってしまったり。先生方がそれぞれお持ち(自分が一個人の消費者の立場で)のご意見等も聞かせて頂いたりとで、帰宅する頃には情報で頭が大きく膨らみ過ぎて、いったいどう纏めようかと考え込んでしまった。

なかなかメンバー全員が一堂に会する事も難しい中、発表の期日は刻一刻と迫って来る。そんな中で完成度の高い報告をしようとするには案を練り上げるのも大変だが、どうすればいかに的を得た内容で分かりやすく纏められるか、こちらもかなり重要な事柄となっている。そこはやはり、様々な分野の人々が集まったメンバー構成なのだから、日頃の業務とは異なった発想や、進め方等色々と出て来るのがSTRAMD流と言えるのでは!

毎日猛暑が続いているが、それよりももっと思考をヒートアップさせて、気温を忘れる位になって課題解決に向き合いたいと思う。

受講生の感想

記:神里 僚子

百貨店の再生とは、何の再生なのだろうか。

第35回 記:神里僚子

私事になりますが、PAOSでのグループワーク後に夏休みを取って諏訪へ行ってきました。

諏訪は多くの遺跡が発見されており、縄文から続く土着の信仰も残っている土地です。

今回の旅の目的は、日本人のルーツであり、国家という枠組みが形成される以前の縄文の人々の生活・文化を自分の目で確かめることでした。



きっかけは中沢新一、坂本龍一氏の「縄文聖地巡礼」という一冊の本。

現在の閉塞した社会・経済システムを見直し、これからの創造のための新しい糸口をさぐる1つのヒントとして、わたしたち日本人の精神の源泉へ触れる縄文への旅へと招待してくれます。

地球上の資源には限界があり、資本主義経済の無際限な拡張が不可能である以上、生命=死の循環、自然や動物と人間の同質性など縄文的な世界認識に基づく世界のあり方を構想する…

まさにいま、わたしたちがSTRAMDで学んでいることにもリンクする内容です。



前置きが長くなりました。本題はグループ演習の課題である「百貨店の再生」についてです。

百貨店の現状分析、具体的な提案とひととおりの資料を用意し、PAOSでのグループワークへ挑んだB班でしたが、中西先生、金子先生からは「だいたいを網羅してはいるが、ディレクション(方向付け)がない」とのひとこと。(もちろん気づいておりましたが、痛いところを突かれました)

さらにアドバイスとしてたくさんのお話いただいた中で、大きなポイントを二つ。

●これからの時代における百貨店の仮説、ストーリーをつくる=新しい百貨店のあり方を考える

●家族の関係性や地域のつながりの再構築、日本人を束ねるような仕組み、しかけを百貨店でできないのか

こうして改めて文字にしてみると、「百貨店の再生とは、百貨店の売上だけの問題ではない」ということがわかります。



では、百貨店の再生とは、何を再生させることなのでしょうか。もしくは、何を創造することなのでしょうか。

(※ちなみに、昨日今年12月末に閉店となる有楽町西武の跡地に、ルミネが出店予定とのニュースが発表されました)

ちょっと風呂敷を広げすぎた感がある上に、これ以上はB班の提案に関わってくることになると思いますので今回はここまでとさせていただきますが、まさかSTRAMDで、日本人の思考・文化のルーツを考える機会をいただけるとは思っていませんでした。



ひるがえって話を最初に戻しますと、今回の旅を通してみて、確かに自分の根底に触れる「何か」が諏訪にはあったと感じています。それは延々と続く死と再生のサイクル、わたしたち人間も自然の一部であり、人間だけが永遠ではなく、他と同じように一人ひとりが有限として生かされているということ、そしてつながっていくということ…。

また、なによりも諏訪は、土地・風土が人間に対して優しく、包み込んでくれるような印象を受けました。ここで3万年以上も前から人々が生活し、栄えていった理由がわかる気がします。



余談になりますが、実はPAOS訪問時も、似たような印象を受けました。

居心地の良い空間に、猪熊さん、スタッフの方のすみずみまでこころが行き届いたおもてなし…。貴重な資料の豊富さも特筆に値すべきことですが、こんなにも「リラックスして、腹を割って話ができる空間(+時間+体験)」をつくり出しているPAOS、中西先生、猪熊さん、スタッフの方の底力に、改めて敬服いたしました。有意義な時間を過ごさせていただき、どうもありがとうございました。

それから、お忙しい時間を練って私たちのグループ授業にご参加くださった金子先生と酒井さん、本当にどうもありがとうございました。



いよいよ来週から後期の授業、前期とは違ったまた新たな気持ちで臨みたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

受講生の感想

記:志水 あい

第36回 記:志水 あい

STRAMDの夏休みの宿題として出された“百貨店の再生を考える”課題。

元々、さほど買い物に興味がないのもあり、百貨店と他の店を区別せず必要なものを決まった場所で買うのが普通になっている私は、同じ班のメンバーに追いつくために「百貨店を知る」ところからスタートしました。
HPを見たり、出かけたり、いろいろやってわかったのは「あまり百貨店に興味がない」こと。こんな考えをもつ人たちでも「行きたい!」と思う場所をつくる課題……難題です。

しかも、みなさん仕事をしているのでスケジュールが合いにくく、集まれる時間も少なめで、なかなか意見がまとまらず、最近はちょっと行き詰っている状態でした。そんなタイミングと重なったのもあり、先生方にはプレゼンテーションの中身だけでなく進め方などについてもご指導いただきました。

あっという間の5時間!!
ブログには書ききれないので具体的な内容は省きますが、私が抱えている別の課題にも役立つヒントをたくさんいただけました。

そのひとつがコミュニケーションについてです。
いろいろなフィールドの人が集まれば、当然意見は同じになりません。また、同じフィールドの人には通じる話が、異なるフィールドの人には通じないことがあります。
こういった問題に、どう対処するかを考えて適切な方法を導くのも、今回の課題で得られる学びのようです。

数ある手法から何を使えばどんな結果になるかは、試してみなければわかりません。
同じ手法でも関わる人で結果は変わります。そのため失敗を恐れる傾向があったのですが、中西先生の「部分最適があってもいい、最後に全体最適になればいい」というお言葉を聞き、どんなことでも「まずやってみよう!」と勇気が湧きました。

また、何らかの課題に取り組む際、つい結果ばかりに目を向けてしまいがちですが、結果を生み出すには組織づくりや場づくりが欠かせないことも再認識。つくづくSTRAMDで学んでいるデザインの幅の広さ・深さを感じるとともに、課題の難しさを痛感しました。
プレゼンテーションの日まで残りわずかですが、“全体最適”を目指しながら学んでいきたいと思います!

中西先生、河野先生、金子先生、猪熊さん、長時間ありがとうございました。

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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