2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

企業経営とアート

日付
2010年04月24日 19:00~
場所
東京ミッドタウン
概要
企業経営とアート、その関わりと成果
受講生の感想

記:田辺 千晶

第6回 記:田辺千晶

ベネッセホールディングスの会長、福武總一郎氏を講師に迎えた公開講座の第一弾。

中西元男氏が1980年にベネッセの前身である福武書店に提示されたという基本指針は、「情報化」「国際化」「文化化」の3つ。以来30年、ベネッセは3つの基本指針を貫き、当時は岡山の中堅の通信教育会社が、世界有数の文化的企業へと発展した。

そのベネッセを率いる福武氏は期待通り実に潔く明解。理想を実現させる強い信念と「思い」をお持ちの方だった。

冒頭から「経済は文化の下僕(しもべ)なのだ」と言い切る。経済活動は目的ではなく手段だ。目的とは、次世代が幸せになることなのだ、と。

企業はメッセージであり、メッセージからにじみ出るものが商品でありサービスである。ベネッセのメッセージとは、「よく生きること」。それは「志をもって夢や理想の実現に向けて、一歩一歩近づいて行く、そのプロセスを楽しむ生き方」であると福武氏は語る。

最も尊敬される企業になりたいと考えた。「お年寄りの笑顔が溢れているような“楽園”をつくりたい」と、いまや現代美術のメッカとなった直島を20年計画で育ててきた。直島は「理想のコミュニティをつくる」と考えるベネッセの実体である。そして現代美術に注目したのは、現代美術は社会に対して強烈なメッセージを発しているからだという。

決してブレないのが素晴らしい。「よく生きる」とは何かといつも考え、そのための サービスを事業として提供する。目的と手段を間違わない。「思い」を持ち続け、理想を実現していく。ある種の理想のトップの姿であり企業の形かもしれない。

企業のあるべき姿とは何か、幸せとは、豊かさとは何かを改めて考えさせられた。

「東京はダメだ」と言い放った福武氏に挑むつもりはないが、誰もが直島を作れるはずもない。私は東京を見捨てたくはないし、東京でも豊かさを感じることをあきらめたくない。だからこそSTRAMDで学びたいと思うのである。

《STRAMD》

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