2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論3

日付
2010年05月11日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
桑沢デザイン研究所時代に始まる個人史とデザイン活動
受講生の感想

記:林 成志

第7回 記:林 成志

「戦略経営デザイン論」の第3回目講義は、桑沢デザイン研究所の夜間部2年生200名との合同講義として開催され、桑沢OBである中西先生から学ぼうとする若者の志に包まれた中で、普段は聞くことができないデザイニストとしての原点にまで遡った『個人史』に一同耳を傾けた。 中西先生の最新著である「コーポレート・アイデンティティ戦略~デザインが企業経営を変える」のあとがきでも書かれている後藤新平の名言「金を残すは下、仕事を残すは中、人を残すは上」をテーマに、STRAMD参加者のみならず若き後輩への先生からの熱いメッセージが溢れた。

今日的定義では受験生としては優秀ではなかった(失礼!)中西先生が、神戸の旧家への反発から上京され、人との邂逅の中から桑沢へ進まれたところで単に「色・形」ではないデザインの可能性を見出されたところに『中西DNA』の生い立ちを垣間見ることができたと共に、この時期の地盤整備が今日に至るまでの息の長い開花の礎になっているものと理解できた。 インターネットで容易に大量の情報を収集できるようになり、また、近視眼的な結果を求められる現代においてこそ、肉体と五感を駆使して物事を泥臭く体得して行くプロセスを敢えて踏んで行くことが、使い捨てに終わらないデザイン構築に不可欠であることを再認識した次第である。

中西先生が早稲田大学在学中に「総合大学にこそデザイン学部の拠点を設けるべき」と提言された1962年生まれの私にとっては、半世紀に及ぶ中西先生のデザイニストとしての一貫した歩みの重みを改めて実感した。 たとえジグザグであろうと螺旋階段状であろうとも、ベクトルを持って進んで行かなければ物事は見えて来ないわけであり、「自分自身をデザインせよ」とのメッセージを受け止めて、STRAMDの1年間を通して温めている仮説をブラッシュアップしてみたい。

中西先生のブログ「中西元男 実験人生」もお楽しみ下さい:
http://designist.net/blog/

《STRAMD》

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