2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

ビジネスデザイン論2

日付
2010年11月11日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
デザインシンカー:(ケース&演習)METの再生他
受講生の感想

記:大河原 英治

第51回 記:大河原 英治

ビジネスデザイン論について2回目の講義は、まず最初に
今、旬の「龍馬伝」坂本龍馬を例に挙げての「Design Thinker」の基本的な
考え方を伺った。
 次に実際ビジネス界における事例を米国ニューヨークにある
「メトロポリタン歌劇場(MET)の再生」をテーマにスライドを拝見し、
その再生過程についてビジネスデザインのアプローチからグループディスカッション
を行った。
(個人的には、今回のような短時間のディスカッションを取り入れた講義は、
受講生同志お互いの考えが分かり、更にコミュニケーションの向上が図れる点に
おいて大変良い試みであったと思う)

■Design Thinker 
→デザイン思考で物事を考える人。
ロジック、感情、美的、技術、社会性価値等、これらを統合して
今の現状を改革する(イノベーションを起こす)人。
何か成長を果たして行こうと志を持って実際に実現しようとする人。
つまり、Design Thinkerとは「変革者であり、問題改革者であり、
イノベーターであり、プロデューサーである。

例)坂本龍馬
構想力、実現しようとする行動力、大局観、戦略眼と共に
徳川幕府を倒した後の国家の在り方(理想)を持っていた。

■ビジネスデザインのアプローチ
1.本質を捉える【分析と仮説】
2.ビジョンを描く【VISION】
3.新しい価値を創造する【戦略イノベーション】
4.成長をデザインする【ブランド】

例)メトロポリタン歌劇場(MET)の再生

ピーター・ゲルブ氏は、
「赤字に陥っていたMETを何故立て直せたのか?」

今回の講義を受け、既成概念を取り払う事はなかなか難しいのかもしれないが、
ほんの少し視点を変え、常に「受けて発想」の考えをもっていれば
おのずと今やるべき事(やらなくてはならない事)が見えてくるのではないか
と思った。

今の会社に入社した時、大先輩から「感動はいつまでも人の心に残るんだよ、
それを常に頭に置いて顧客に接しなさい」という話をされた事がある。
これこそ感情的価値の本質ではないでだろうか。
当社の武器は何なのか、問題(改善)点は何なのか、しっかり分析を行い、
企業ブランドの更なる成長、向上を、STRAMDの講義を通じて考えて行きたいと
改めて感じた。

~話は変わって、ビジネスデザイン講義の翌日、
「ブランド価値創造のマーケティング」と題した消費者にブランドの
価値を伝える大切なコミュニケーションの考え方について
「日本コカ・コーラ株式会社 取締役会長 魚谷 雅彦氏」の
講演を拝聴する機会に恵まれた。

言うまでもないが、日本コカ・コーラといえば、
グローバルな事業展開を行うブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を
金額に換算してランク付を行うのブランド価値ランキングで
IBMやMicrosoftを押え11年連続トップの座に君臨している
「世界で一番価値があるブランド」として日本を代表する企業でもある。

魚谷会長が今までの経験で学んだという「価値づくりの戦略的マーケティング」
の重要性について伺ったのだが、特に印象に残ったのが下記の言葉で、

■企業から消費者へのコミットメント(約束)

「ブランド価値=機能的価値+情緒的価値であり、
 消費者へ提供する機能的・感情的ベネフィットや価値を明確化し伝達する事
 が重要である。どんなに素晴らしい技術や製品があったとしても
 顧客が体験しなければその良さは分からない(伝わらない)、送り手発想ではなく
 顧客視点にたった発想が必要である。既存の顧客がどれだけ満足しているか、
 再度考える時期に来ているのではないか。」

これまでSTRAMDで学んだ事の重要性を再認識した講演内容で、
これはまさに「STRAMDの講義では!」と感じた時間であった。

《STRAMD》

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