2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

美的感覚錬成論1

日付
2010年07月22日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
黄金比:美の基準について
受講生の感想

記:若林 正

第29回 記:若林正

今日はSTRSMD始まって以来初の、実技を伴った講義である。
事前に、内容は「黄金比」に関するものになる旨のアナウンスは頂いていたが”予習はしない事”とされていたので、一応美大出身の自分としてはいったいどの様な講義になるのかとても楽しみにしていた。

先ずは360mmの竹ひごを自分なりに美しいと思う割合(2等分以外)で2本に分割する事からスタートした。長く残る部分を次々と分割を4回程繰り返しその割合を算出する事で、その人の持つ感覚をつかむと言ったもので、結果、事前に計画する人と、本当に感覚で決めて行く人とに分かれた。金子先生はあらかじめ予測を立てられており、概ね、2:1もしくは1.5:1とされていたが様々な回答が出され驚かれていた。
これをどんどん繰り返して行くとフィボナッチ数列の割合に近づいて行き、1.618039... :1となる、この数値が「黄金比」の数値に限りなく近いものとなる。
この比率はかなり数学的なものであるが、実は自然界にも当てはまっており、植物の葉の生える角度(葉序)や、オウム貝の成長過程、等、全体をまんべんなく効率良くさせる為のものにもなっている。

「黄金矩形」や「正五角形」等を作図したり、様々な比率(色)の紙からチョイスする実習を通して感覚的に「黄金比」を身に覚え込ませる事もこの実習の大きな目的でもあった。これによって日頃気にしていなかったものでもそのバランスが「黄金比」になっているか、美しいと思えるか、と言った意識が芽生え、ものの見かたも変わって来る。タバコのパッケージ、コピー用紙、ハガキ、TV画面、テーブル、etc...なるほどそうなるとすべてのものが気になり出した...。

美しいものとは、何がそう感じさせるのか。
平均をどんどん積み重ねて繰り返して行くうちに究極の平均が生まれる(または、そこから少し飛び出す)、これは美しいと思えるのではと金子先生は仰った。確かにそう思える、可も無く不可も無いと言うよりは、誰にでも受け入れられる、そこにちょっとした個性のプラスα、これによってグンと評価がアップする、そんな感覚なのだろうか。

今回の講義(24日の特別講義を除けば)でSTRAMD前期の講義が終了だ、グループでの課題も有るが9月迄は夏休み。

が、夏休みの宿題が出された!
340点の西洋美術を、作者/タイトル/年代/所在地、これらをいかに多くを楽しく覚えて来られるか...
だいぶ鈍って来た脳でどこ迄出来るか、自分にとっての一つのチャレンジになりそうだ。

《STRAMD》

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