2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論8

日付
2010年06月24日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
現代の経営資源とは何か:知的美的経営
受講生の感想

記:細川 直樹

第22回 記:細川直樹

STRAMD Paradigm10
6. 現代の経営資源とは何か?

経営資源といえば一般的には物的価値的な「人・モノ・金・情報」とされている。しかし、現代ではそれだけでは足りない。それを生かすための「想像力・洞察力・開発力」が必要になってくる。
さらに今の時代はどんなにいいものを作ったとしても、情報として相手に伝わらなければ存在価値を持たない。魅力的に伝えるためには「表現力・演出力・伝達力」といった物的価値の対極にある情報価値的資源が必要だ。物的価値はいずれ世界の中でフラット化し差別化要因ではなくなるため、それを生かすために「伝えるに足る情報」こそが価値を生み出す。すなわちブランドだ。

その「伝える」ということを分解すると「理解訴求」と「感覚訴求」の2つに分けることができる。現代のビジネスにおいてはスピードが要求されるので、じっくり考えて判断していたら間に合わない。意味を説明する「理解訴求」より、イメージで伝え、直感で判断できるような「感覚訴求」が重要になってくる。つまりデザインの力が必要だ。ここまでは大変わかりやすい!

…とはいえ、ややこしいのはこのブランドの必要性を説くにはやはり「理解訴求」が必要になってくることである。

ブランドの価値を定量化する方法として現在のブランド価値評価の基準は利益や株価に基づくものがある。企業価値評価と同じような方法を取っているため、リーマン・ショック以降の不確実性を考えると過去のデータを元に予測した将来の利益から割り引いてブランドの現在価値を求める方法はもう少し考える必要があるのではないか?

もちろんデザインによってコニュニケーションにかかるコストやリスクを低下させることは可能だと思うし、それこそがブランド価値ともいえる。

中西先生が「作りたての会社にはブランド価値がないものと同じになってしまう」とおっしゃったように、ケンウッドの事例で考えると何もない状態から始めたので価値ないと評価される。しかし、ケンウッドは「魅力=デザイン」によってブランド価値を高めていった。現在のブランド価値評価では測れない事例である。その「魅力=デザイン」を指標化するのもSTRAMDの役目なのかもしれません。例えばブランド価値は「人・モノ・金・情報」にかかる係数のようなものになるべきなのか。まだ私には検討もつかないのですが……。

意思決定者に対して何らかのレトリック(良い意味で)やブランドの指標化など言葉や数字を尽くして(しかも感覚訴求的に!)伝えることが出来れば、デザインと経営の距離はより近づいていくのではないでしょうか。

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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