2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2010年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

サステナブル・デザイン1

日付
2010年06月01日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
サステナブルビジネスの可能性とバックキャスティング思考論
受講生の感想

記:橋本 圭司

第14回 記:橋本 圭司

益田先生に「サステナブル・デザイン」というテーマでご講義いただきました。
2回の授業に分けるということで、今回は言葉の定義から始まり、実際のエコデザインの実例を豊富なスライド資料を使い多数紹介して下さりました。

日本は本当に多くの分野で環境に配慮した様々な製品や技術があることを知りましたし、先生もそういった日本の持つ美点は高く評価しておられたので、同じ日本人としては素直にうれしく思います。

ただ、事例の中で充電する機会をなかなか持つことができないソーラーパネル付き携帯電話(持ち歩くときはかばんの中に入れているため)や、省エネになったが故にその分数を増やしCO2削減にはさほど効果を発揮していない自販機の話を聞くと、製品の関係者はそれらが消費者の生活・社会におけるコンテキストの中でどういったように使われるべきなのか、使ってほしいのかというピクチャーを描いて開発企画をしなかったのではないかと感じます。

だからこそ益田先生は最後に、現在の状況や経験から未来の展開を推測していくのではなく、Back Castingつまり「未来に視座を置いて現在を見る」という方法の大切さをお話されたのではないでしょうか。

これは、以前に紺野先生の授業でも「コトをデザインしてからそこにモノを埋め込んでいく」というお話があったかと記憶していますが、私はこれらがニュアンスは違えども共通した意味合いなのだと思います。

先生はこのようなパラダイムシフトのきっかけとなった出来事として、ご自身のデザインされた製品が京都嵐山の美しい自然の中に打ち捨てられているのを見たときだとおっしゃっておられました。

私達はSTRAMDに入学させて頂いたおかげで、こういったつらい経験(少なくとも自分が同じ立場なら相当気分的には落ち込みそうです)をせずとも、1年かけてこの新しい視座を養える機会を与えられたのだと思うと、とても幸せなことだと感じます。

益田先生、ありがとうございました。

《STRAMD》

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