2017年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2017年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

経営戦略デザイン論10

日付
2018年01月10日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:伊藤 耕平

CIが持つ力は外に放つ影響力だけではない。広告やロゴマークなどは消費者へ直接働きかけるものと一般的に認識されているが、NTTの電電公社からの変革事例は巨大組織の体質改善・意識改革という大仕事にCIが大きな役割を果たしたことを示す歴史的な事例である。今回の講義はそのNTTのプロジェクトを主題に展開された。
 
NTTの前身である電電公社は官営ということもあり地方ではある種特権階級に位置し、サービス業としての意識が低く、酷い例では局内でお客が受付を待つロビーや待合室を「公衆溜まり」と呼ぶなどの有様であった。PAOSはこのような体質こそ問題、それを解決するのが本案件の要と考えワークに取り組むこととなる。
しかし30万人の大組織、どう意識改革していくのか。1つは公社を象徴する記号はすべて変えていくことである。マーク、カラーなどのビジュアル面を、そして組織の略称などブランド開発の面を清潔で信頼感のあるイメージを作り上げ内外に示していく。もう1つは各種戦略を構造的に組み替えて長期的に展開することである。すべて解説はしないが、その戦略はインダイレクトマーケティングやエコー効果活用など多様な手法を組み合わせて展開された。
 
毎回講義のたびに驚かされるのは、PAOSの手法の特異さもさることながら、それを支える膨大で地道なリサーチ、そして実制作にも驚かされる。NTTのプロジェクトでは600人以上の社員・関係者にヒアリングを重ねたという。残してきた結果は魔法的だが、取り組みは丹念で地道である。
 
ちなみにPAOSが電電公社の新規入札時に提出したプレゼン資料を今回拝見することができた。CI計画のプランをプレゼンしたものなのでプロジェクトそのものは始まっていないのだが、凄まじさを私は感じた。内容、熱量もさることながら、文章一つ一つから責任感と期待感を感じることができた。この資料を見ることができるのはSTRAMDだけである。
 

《STRAMD》

ローディング中