2015年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2015年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

知の枠組み

日付
2015年11月11日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:瀬川 麻里子

今回は、「知性の構造」「記号-情報-知識の違い」といったテーマの講義。
「デザインとは何か?」というお話に繋がっている講義であった。

《所感》
今回の講義の中で、
デザインとは何かということについて、
受講生や先生方のご意見を伺えたのはとてもいい機会になった。

特に「目的達成」と「最適解」
「signを解体する」というフレーズが印象的だ。

やはりすべては何か目的を達成するためだということ、
良い組み合わせどまりではなく、最高のものを目指すということ、
既存のsignにアレンジを加えるものではなく、壊していくこと。

また、STRAMDも含め何かを学ぶときに、
自分は「言葉だけで分かった」状態なのか、
理性の領域にまで到達して識っている状態なのか分けて考えることも大事だと感じました。

半田先生、中西先生、受講生のみなさん、ありがとうございました。

《講義概要》
●知性の構造
『知性』『理性』『感性』という言葉はなんとなく理解できていると思うが、
改めて「理性」と「知性」はどう違うのか?といったことは考える機会が少ない。

哲学書を開くと、「知性」のまわりに「悟性」という言葉がある。

超越界
理性 reason   

悟性 intelligence  understanding 

感性sensibility 
経験界

「悟性」は言葉を使う。
コンセプト=概念、概念はカテゴリ化することによって作られる。
日本語の「分かりました」という言葉にあるように、
物事が「分かる」というのは「分ける(=カテゴリ化)によって理解した気になる」ということだ。

名前がついていないと「分かった」気にならない。
初対面の人の所属がわかると、分類可能になり、「分かった」気になる。
コンセプトができあがって、カテゴリ化されると「分かった」状態となる。

思えば、小中学校で習うようなことは
ほとんど「分けて、名前をつける」作業の繰り返しだ。
例)XX星は太陽系に属している。
学校のテストは本質が分かったかどうかのテストではない。

STRAMDは、世界を分けるための「悟性」的(言葉をつかう)なものではなく、
おそらく「感性」「理性」といった「悟性」では迫りきれないものに
何か解釈を加えようとしたり、働かせようとする試みのように思う、
という半田先生のお話があった。

「理性 」はreason つまり"理由を問う"
言葉も使うけど言葉以上のものをつかう、プラトンが提唱したidea、
日本語でいうと「観念」。
「観念」は必ずしも言葉にならなくてもいいが、
言い当てているもの、アレとかコレ、直観的にとらえうるもの。

デザインも突き詰めていくと理性の世界に入っていかざるを得ない。

●デザインとは何か?どういう営みか?
5分程度時間が与えられ、各自お題について考えてみることに。内容をクラスで共有した。

~受講生の意見抜粋~
・モノとモノ以外(考え方、戦略、哲学、マインドセット等)のものをつかって
表現し目的を達成するもの。
・新しいものを創造することができる力
・デザインは感性的なもの、言語化できないものだと思っていたが、
最近は理性的な世界だと思っている。

~中西先生のご意見~
・ある目的のために過去の要素を組み合わせて最適解を与えること
最適組み合わせ、新しい組み合わせ。
(行動だったりモノであったりするが)
・最適解は美しいとか快いということにつながる。
場合よってはそこにほかにない個性をつくる。
最適解には要素として「美」や「善」が含まれるのかも。

半田先生からは、表現は違うものの中西先生の影響もあり、
ここでは受講生が共通したイメージをもっており
よい学びの場になっている印象をもったというコメントもいただいた。

●記号-知識-情報の概念・関係性
記号(sign) 
一定のコード体系のもとで公共性をもち規範化する
『世界の分類、意味づけについてわたしたちが定め宣したしるし』
外在的・公的/単一的/無機的/普遍的/一般的/物質的/客観的

情報(information)
情の報せ、私的
『記号に接した個人の心の動きについての報せ』
内在的・私的/多様/有機的/生命的/固有的/特殊的/偶然的/一回的/主観的

知識(Knowledge) 
知り識ること、"情報"を介して、ひとりひとりがつくっていくもの
※この3つは循環

コンピューターは情を持っていない。情報はプライベートなもの。

コンピューター=記号処理システム
人間 =情報処理システム

●記号の意味生成
例えば、「007」のジェームズボンドは実在しないため何の代理表象でもない記号だが、
記号そのものが自立した例である。
記号には何かを代表することに加え、
記号がその対象に意味生成的に作用することもある。

例)「病は医学がつくり出す」疾病の記号規定が病の意味を生成する
名前がつくと病気になった気がしてしまう。

CIやブランドもまさに記号。

●最後に・・・de-signとは
デザインは英語ではde-sign。
sign(記号)の解体を意味する。

記号は意味生成的に強いメッセージをあたえてくるが
それをさらに壊して作り出す営みともとれる。

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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