2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

美的感覚練成論5

日付
2014年12月17日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:栗原 知也

金子先生による美的感覚練成論の第5回目。テーマは「漢字」。
普段当たり前に使っている漢字であるが、文字としての「漢字」そのものについて考えたことはなく、事前課題を通して漢字の原意を調べていくうちに、何か奥の深さを感じた上で講義に臨んだ。

冒頭の白川静氏の業績に関する映像からは、白川氏の「漢字」に対するこだわり・執念が伝わってくる。中国の古代文字を写していったという姿勢がただものではない。気が遠くなるような世界である。

漢字の発展と中国文明の流れを一覧にした資料を参照しながら講義が進む。毎回の講義で感じることであるが、今回も歴史を俯瞰して全体像を理解することの重要性を改めて認識される。

講義で印象的だったキーワードは次のとおりである

・文字(言葉)は概念の映像である
・文字は時代を映す表現の源泉
・文字はデザインの知的宝庫

漢字の3000年を超える歴史を改めて見て行くと圧倒されるものがあり、「知のイノベーション」というは納得がいく。

東洋のプラットフォームである漢字は、その文字を見るだけで意味が伝わってくる。これまでのいくつかの講義の中で、用語である漢字の原義から説明いただくことで、深い理解に繋がったことがある。

このことは母国語として漢字を日常から使用しており、理解の深さとの兼ね合いかもしれないが、アルファベットと比較すると、漢字の持つ奥深さを強く感じる。

また、文字は政治や権力の延長上にあるとのことだが、まさしく漢字は権力が変わるのと並行して書体も変わっていくのが見てとれる。


漢字の発展の歴史を中心に、貴重な資料を見ながら学ぶことができたのは、とても貴重な機会である。中西先生がおっしゃられていたとおり、今後このような話を伺えることはないだろう。また、これまでの講義を通じて漢字とアルファベットの両方について学んだことで、「文字」について理解を深めることができ、非常に良かったと感じる

《STRAMD》

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