2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

知の枠組み2

日付
2014年11月06日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:栗原 知也

半田智久先生による「知の枠組み」講義の第2回目。
今回の内容は、記号・情報・知識の概念と関係性についての深い議論に加えて、「はじまり」の力動性に関連したデザインとleader・initiatorについて議論が展開された。
ものごとを捉えることや創造の根幹に関わるものとして、とても興味深く惹きつけられる内容。私個人としては普段は意識したり考えたことがなく、とにかく講義についていくことに徹した。

・ 記号(sign)・情報(information)・知識(knowledge)の関係性
情報とは、心ありのままに従ったことの知らせであり、また基本的には快苦を伴う知らせ。そして情報は論理(logos)の世界を超えて「A」と否「A」が同時に成立つ。「人間=情報処理システム」、「コンピュータ=記号処理システム」との言及あり。
また「もののあはれ」を例に、「もの」=記号、の、「あはれ」=情報であり、自分の情を加えて本質・美に迫る等、記号と情報の関係性について議論が展開される。
今まで「記号」と「情報」を分けて捉えてこなかった私としては、刺激的で頷くことばかりである。

知識とは、感覚器官を通して「知り」、心が自分自身で「識ること」であり、時間ととともに変わるもの。真の生きた知識は内面から生じる。認知は客観的であり、認識は主観的。
そして知識形成の過程について議論が及び、「知って、なお識ること」、「知って、なお識(しる)すこと」。
もう脳が揺さぶられっぱなしである。

・ はじまりの力動性
「創」(はじめ)には、「始源」(Origin)と「始まり」(beginnings)がある。
Originは求心であり「leader」で、中心化、規範、コードといった記号性を持つ。
beginningsは遠心であり「initiator」で、脱中心化、脱規範、脱コードといった情報性を持つ。そして脱記号は「de-sign」である!
デザインに対する捉え方だけでなく、様々なリーダーシップ・人材マネジメント論が蔓延る今日において、とても示唆に富む内容である。

最後に日本人initiator論?として、人間と道具の歴史を紐解くところから少し説明を頂いたが、とても興味深くもう少し伺いたかった。

・ 所感
2回の講義を通して、まだ表層的な理解に留まっているが、今まで曖昧なまま使っていた用語の概念が整理され、そしてまた自分の常識が崩されることで、ものごとに対する見方・捉え方やアプローチについて新たな気付きが多く、とても参考になった。
「知識」となるにはまだまだ時間を要するが、今回の内容がじわじわ効いてくる予感が現実になることを期待!

《STRAMD》

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