2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

日本文化とデザイン論3

日付
2014年09月24日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:北畑 栄

「日本文化とデザイン論(3)

2014年9月24日
記:北畑栄

無常観から無常美観へ・・・「日本のデザインの根本思想」
「わび」というパラダイムの変換

内田先生は講義の際に「モダニズムを疑え!」と必ずどこかで話される。今回講義でも私達がモダニズムを受け入れる際に捨て去ったかもしれない大切な日本的なもの、例えば「弱さ」の意味を理解すること、感じることの大切さがひしひしと伝わってくるのである。

西洋文化は永遠に「不変」であることが重要であるが、日本においては「変化することこそ永遠」であると考えること、「無常観」に伴う生々流転の流れが日本のデザインの根本思想になっていると話された。そして「わび」というパラダイムの変換がその後の日本文化に大きな影響を与えたことを語っていただいた。
縄文、弥生、古墳時代から現代の焼物・陶器作品を見ながら日本文化の特色などをわかりやすく話され、最後に雅のルネッサンスである琳派の作品を紹介していただいた。例えば本法寺が一大芸術センターの役目をしていたこと、町衆が経済力を背景に文化の花々を咲かせ始めたこと、俵屋宗達、尾形光琳、尾形乾山らの作品の素晴らしさについて語っていただいた。
わたしはワクワクしながら先生の話に夢中になっていた。(このような時間は生涯にあまりなかったぞ!)そして建築デザイン関係の仕事に関わっていながら、日本を代表する作品に対して通り一遍の知識しか持ち合わせていないことが恥ずかしく思えた。

  最後に先生は究極のショックを私達に与えてくださった。
内田先生談:「守破離」という言葉があるが、私は「離」にもまだ達していない。

  私は先生の「受庵」を見学した後、どうしても他の茶室を見学したいと思い、先日、京都大山崎の国宝:待庵(伝千利休作)を見学してきた。
私にも個人的な「パラダイムの変換」が起こっているのかもしれないと感じる今日このごろである。

《STRAMD》

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