2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2014年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

美的感覚練成論1

日付
2014年05月28日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:H.K.

5/26 美的感覚錬成論(1) 金子英之先生

金子先生の授業は、とある作家の陶芸作品(茶碗)に銘をつけるという宿題が与えられ、この回答案に対する厳しいコメントの嵐という洗礼で始まりました。
先生から指摘された課題は3つ。「よく見たか?」、「誰が決定者か?(ターゲットの設定)」、「考えぬいたか」。

どの回答もものの見事に「よく見たか」という点が抜け落ちていました。つまりその作品を作品たらしめていることはなにか、について我々は見出すことができなかったということです。
来年の課題のために正解はここでは記しませんが、この茶碗の一番大事な点と、作者による銘について種明かしをされると、確かにそのような情景が浮かび上がってくるから不思議です。

芸術作品は作者の手を離れた時点から「作者のもの」ではなく「鑑賞者」のものになる、という現代文学理論に則れば、作者の銘名だけが唯一の正解ではないのかもしれません。とは言えこの茶碗の本質は到底無視しえず、その点を踏まえない銘名がいかに表層的なものでしかないか、モノを見ているのにいかに本質を見ていなかったか、ということに愕然とさせられました。

また、本質を見ることができたとしても、それを伝達する段階では、見る側に想像力を働かせるような銘をつけることが必要になります。

デザイン・命名をする際には概して冗長・説明しがちになってしまいますが、これは読者をバカにしていることになってしまいます。結局のところ読み手の想像力の世界の方が、表現者の表現そのものよりよっぽど強力なので、それを利用しない手はありません。そのように見る側に想像を掻き立てたり、何らかの思いを抱かせたりするような、人の行動を動機づけられてこそ良いデザインニスト(言葉使い)なのだと感じます。

そしてそのようなデザインを作るには、作り手と受け手の間に、ある種の緊張感のある信頼関係がなくてはならず、その意味で良いデザインとは、両者の共同作業とも言えるのではないかと思いました。

また、よいクラスも同じように講師と受講生の共同作業と考えれば、お題とそれに対するコメント、という今回のやりとりは緊張感があってとても良かったと思います。

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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