2012年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2012年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論8

日付
2012年09月25日 19:00~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
前期レビュー:企業経営をデザイン思考する
受講生の感想

記:本橋 徹也

記:本橋徹也

企業経営をデザイン思考する

そのスローガンに込められた想いが、つまびらかにされた本日の講義。
STRAMDの基幹講義である 「戦略経営デザイン論」 第8回は、前期レビューに終始した。


STRAMDとは、次代の企業経営や社会・生活をデザインできる
デザイニスト (経営者・実務者)」 の育成を目的とした講座である。
「企業経営変革デザイン」 という新価値創造型の思考に立脚したうえで、
「企業は理念のデザインから見直さなければならない」 と唱えている。

なぜか。
人も企業も、思わないことは実現できないからだ。

では、現代において企業が持つべき理念とは何か。
価値観が多軸化・多様化する時代に、正解はない。
あるのは幾つもの最適解である。

加えて現代は、高度情報通信社会であり、スピード社会であり、成熟社会でもある。
故に、STRAMDでは、仮説法を用いた
イメージマーケティング (情報価値先導経営)」 を提唱している。
わかりやすくいうと、イメージが半歩か一歩先を行き、実態を牽引する経営。
企業イメージをマネジメントすることで、自社を主役としてポジショニング、他社を脇役に追いやる。
ゲシュタルト心理学の 「図と地」 を応用したイメージ戦略である。

では、主役になれる企業とはどんな企業か。
一言でいえば、「尊敬に値する企業」 である。
そのために企業は、「生産機関」 「経済機関」 としてだけでなく、
環境機関」 「人間機関」 「文化機関」 として存在しなければならない。
デザイニストのミッションは、そんな企業をデザインすることにある。

また、企業イメージをマネジメントするには、「情報価値」 のデザインも看過できない。
重要なのは、その情報がいかに共感を得られるか、である。
共感を得るためには、理屈ではない、その情報に感性的な価値が求められる。
人に例えるならば、
「人・モノ・金・情報」 = 体力、「創造力・洞察力・開発力」 = 知力に加えた、
表現力・演出力・伝達力」 = 魅力 = 感性力 である。

現代は、数値化しづらい抽象度の高いところで価値が判断されやすい。
人には、心の目で価値を判断する潜在的な能力があり、
「形式知」 と 「暗黙知」 の間に 「感解知」 なるものが存在するのではないか、
というものSTRAMDの仮説のひとつである。

その他、本日の講義では 「Paradigm10」 「Prospectus10」 に沿って、
これまで学んできた 「戦略経営デザイン論」 が一つひとつ丁寧に紐解かれていく。
講義の最後には、STRAMDの基本となる定義フレームについて語られた。

現代企業が取り組むべきは、
受け手の美意識を刺激触発することで感動的経営環境を想像する
核・拡デザイン戦略」 である。

核・拡デザイン戦略とは、単なるVIやブランド戦略を表層的に行うことではなく、
あらゆる分野の共通公分母としての価値軸

審美性・快適性・安全性・倫理性・個性」 を核に、

「1.政策・方針のデザイン」
「2.表現・表象のデザイン」
「3.新事業・事業領域のデザイン」
「4.理念・企業存立のデザイン」
「5.公共的・社会的価値のデザイン」
「6.文化的・環境的価値のデザイン」

という6つのデザインを企業経営に活かしていく戦略の総称である。
知的美的経営」 の実践ともいえよう。

そして、これらSTRAMDが提唱する 「戦略経営デザイン論」 は、数々の成功事例に裏付けられている。
中西先生の主宰する実験会社PAOSは、創業から40年余、デザインの可能性に対する考えを貫き、
世界的に見ても稀有なサクセスストーリーを生み出してきた。

個人的には、中西先生の首尾一貫した姿勢にあやかりたい。

PAOSは、創業以来の基本方針として、 「理念・方針デザインこそ重要」 と唱えている。
理念とは、理想と信念。
理想があったとしても、信念を貫けなければ絵に書いた餅で終わる。
そして、それは私自身のこれまでを言い当てている。
実際問題、現実とはなかなか厳しいものだ。
16年間の会社経営のなかで、時にクライアントに迎合してしまう自分を情けなく思う。

今、私に必要なのは、時代を超えて貫ける理想の発見かもしれない。

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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