2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

知識経営論3

日付
2011年05月24日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
デザイン思考とは
受講生の感想

記:佐久間 芳之

第12回 記:佐久間芳之

第3回テーマ:デザイン思考とは

シラバスより
「知識デザインあるいはデザイン思考とは知識社会経済に求められるデザインの方法論であり、①現場観察からの洞察、②創発的な仮説創出、③プロトタイピングを通じた実践の反復過程である。従来のカタチを創るデザイン技法に代わって、エスノグラフィーなど社会学的方法との関係が深まっている。」

講義内容
1:知識をデザインする実践の知的道具として質的研究方法論
2:行為をデザインするミニ演習

1:質的研究方法論は、社会学を起点としており、以下の3つで構成されている。
・ エスノグラフィー(観察、記述、仮説)
・ グラウンデッド・セオリー(理論、実践)
・ ナラティブベース・メディシン(対話、踊り、治癒)

1~1:質的研究方法論のビジネスにおける意義

・安定市場、安定領域では、定量的方法が定性的よりも重視されるが、不確実で不安定な環境においては、定性的方法が定量的よりも重要となる。
・グランド・セオリー(一般的に知られている定説などを示す)のような上から下へというロジカルシンキングではなく、帰納的に下から上への現場での密着理論。
(前回の講義の「目的と現実を往復する」デザインの知のエッセンスとしての考えに基づいていると解釈)

1~2:フィールドワークについて

現場観察において重要なことは、相手の中に主客未分で入っていき、エポケー(判断停止)してあるがままを観る。(思考停止ではない。)米国ファーストフードを利用する一般的な家族の観察事例をビデオにて観察してエポケーのミニ体験。

1~3:グラウンデッド・セオリー(GTA)とは

ホスピスの現場観察から見いだされた理論。社会的現実は、シンボルを操作する人間の動的な相互作用という考え。GTAの提唱者であるグレイザーとストラウスは、ホスピスの現場観察から、患者の死による「社会的損失」と看護師の「職業的冷静さ」というカテゴリーとその関係性を見いだすことで現場に必要となる理論を産出した。(ビジネスの現場の課題解決には、いわゆる経営理論を右から左に当てはめてもうまくいかない。その現場で起きている事実を起点として課題を解決する理論が必要。)

1~4:実用例

・ビジネスモデルを具現化するツールとして(インテル)
・オープンな戦略空間、問題解決(ゼロックスPARC)
・リードユーザーをつかむコンセプト発見(IDEOによるスーパーのカートデザイン)
・アジャイルスクラム(開発プロセスを駆動する)

2:行為をデザインするミニ演習

行為=コト、望ましい経験過程
演習テーマ:ドアの新しい意味(ドアをつくるのではなくコト化する)
10分という短時間でのプロトタイピング演習。
発表方法は、4チームがそれぞれ3分の演技をする。

3:ふりかえり

以前在籍していた会社で、イノベーションを興すための方法論の1つとして顧客観察に取り組み、その経験から学んだことがあります。

一つが、観察に行って結果的に見学にならないようにする、すなわち受け身(主客分離)ならないにようにすること。
もう一つが、観察ということを特別なイベントとしてではなく、自分の日常の生活や業務で普段使いする思考の作法として使うことでした。こう書きつつも、いつもエポケーするのは難しいです・・・。

(2011.5.28 記)

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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