2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

戦略経営デザイン論14

日付
2011年11月22日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
ケーススタディー:ベネッセ・文化機関としての企業/Benesseの誕生
受講生の感想

記:水野 可奈子

第41回 記:水野可奈子

冒頭30分ほど遅れて出席したため、講義に入る前の先生の様々なお話を
聞き逃してしまった。本編は3Mのお話から始まり、先生の代表的な実績である
ベネッセの貴重な事例紹介へと続いていった。

以下に今講義のインデックスを記載する。

●3Mという企業について
CI計画やSchotch Tapeの語源、15%の時間を提案のために使うユニークなルール
●個業化の時代、サービス業化の時代に入った
●コストサイコパフォーマンス
●市場のメカニズム+社会のメカニズム 両立時代へ
●生産機関+経済機関+文化機関→オリベッティの事例
●デザイン3軸の指標
●ドラマトゥルギーをヒントに、コーポレートゥルギーの時代へ
●コモディティスピークス カルチャーウィスパー
 文化はささやくようにしか伝わらないが、一度伝わると効果が高く、期待が高まる
●福武書店
福武固有の企業価値の創出=個業化

ここからは各ポイントで私が感じたことを記載していく。

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●個業化、サービス業化を意識しない日は無いのだが・・・

私はWEB制作会社に勤めている。デザイン、広告、WEBという分野に
またがって仕事をしているが、日々この仕事はサービス業だと痛感する。
お客様(B to Bということになるが)の依頼があって始めて成り立つわけで、
自分たちがどんな絵柄や機能のサイトを作りたいかは後回しに
しなければならない。そして、ただ言われた物を作ればいいわけではなく、
プラスαの提案、うちの会社にしかできないユニークな提案、
さらにホスピタリティを持ってお客様がWEB施策で困っていることに
対して、先回りして親身になって対応していかねばならい。

さらにさらに、それだけでもダメである。そこまでだと業界でまあまあ
仕事が来るレベルの会社止まりで、さらにハイレベルな制作会社となるには、
依頼を受けて制作を進めていき、公開に至るまでのプロセスが、
お客様にとってワクワクするような、価値ある体験にならなければいけない。

これが個業化、というものなのではないか、と思うが、自分たちの提供できる
価値を多面的な視点で捉え、考えていかなければいけない。
さらにそれをうちの会社の全社員が体現できるようなしくみも練らなければいけない。
「同じ予算でWEBサイトを作るなら、あの会社に頼みたい!」と
クライアントに思わせるにはどうすればよいか、ということを日々日々考える。

同時に、クライアントのビジネスの成功をWEBを通して実現させる上で、
そのクライアントの個業化、サービス業化も考えるわけで、半端無く大変である。

PAOSはその両方をエクセレントに叶えてきた会社なのだろうなーと、改めて
驚きを隠せない。

●市場のメカニズム+社会のメカニズムの両立 これが昨今の私の大きなテーマだ・・

STRAMDに来てから、複数の先生方の講義を受講しつつも、なにか共通項のような
ものが見えてきて、そこを脳がつなげていこうとする感覚がたまらなく快感である。

そんな共通項の1つとして個人的に最近考えることが、この市場と社会のメカニズムの
両立ということだ。
講義の中では松屋銀座の事例が挙げられていた。売り上げを上げること以上に、
集客を第一主義とすることで、賑わいが生まれ、店だけでなく銀座という街全体も
活気づいていく。結果、収益も上がる。
それはもう、1企業の営利という視点にとどまらず、街や人々の生活、
いわゆるライフスタイルの向上にまで寄与している。優れた事業というのは、
社会に良い影響をもたらすという事例で、先生の実績にはそのような現象が多く
見られる。企業というものは何なのか。企業が収益を上げるということが悪では
なく、善として成立するという事だと理解する。紺野先生の講義や本にもある、
美徳、共通善というキーワードにも繋がっていく。

特に21世紀、企業にとってこの点がとても重要だと実感を伴って強く認識する。
ソーシャルという言葉の持つ意味と共に、新しい企業経営のあり方、価値観を
具体的な経営・管理手法に落とし込む上でも、考えない日は無いくらいである。
文化的、地域密着、というような事がヒントに成り得るのかなーと、思う。
クライアントと、働くみんなと、両方の笑顔のために何をすべきか、日々考える。

●コーポレトゥルギーと河野先生の講義

・ドラマ型マーケティングマネジメント
・企業・事業目立ち際立ち作戦
・まるでドラマを演ずるがごとき経営

と私の講義メモには記してある。なるほど、なんだか楽しそう。やっぱりこういうアプローチの仕方が私は大好きである。河野先生のエモーショナルビジネスデザインという考え方にも通じる気がして、実践したいと思わせる。クライアントによっては
伝えても伝えても理解してもらえない人々も存在するが・・・自社の経営面には
活かせそうで、ワクワクする。

●ベネッセの事例 失敗を許容できるフレームワーク

情報化、文化化、国際化。この3点を本当に具体的に実行し、大成功を収めた、
驚くべきプロジェクト。先生の実績はどれも驚くべきプロジェクトだが、
中でも最も劇的且つ壮大なスケールの事例なのではないだろうか。
なんと言っても、街の受験産業からここまで成長したわけで、それ自体が正にドラマだ。
ベネッセのお話の中で、新事業を立ち上げて、もし失敗したとしても、事業部長が
クビになるのではなく、その経験を活かして会社として次につなげていける
フレームワークを作ったとあった。ミスを許容できる会社。つまり、新たな挑戦が
生まれやすい会社ということだ。混沌とした21世紀だからこそ、小さな単位で
トライアンドエラーが可能な、そんな会社は理想的だと思う。

●講義後の質問に対する先生の回答が心に刺さった

話の流れで、先生が近頃の日本人の常識、という点について語られた。
私たちは先生のような世代の方々から、こういうことをもっときちっと学んで
おかなければいけない。でないと、明日の日本は取り返しのつかないことになる。
そんな危機感を感じる。後期課題の和ノベーションを考える上でも大切な、
日本人の誇りという事について改めて見つめるきっかけとなる時間だった。


今回のブログはクリエイター視点ではなく、経営視点で日々考えていることを
整理しながら書かせていただいた。管理職という立場で働く私にとってSTRAMDは実に有意義である。
ある講義ではクリエイターとして美意識を養いつつ、ある講義ではマネジメントとしてこれからの企業の進むべき道を模索する。そしてその両面が作用しあっていて、美意識を持って企業経営を考えることで、解を導き出す力をつけることができる。そのナビゲート役となるのが、中西先生の講義だと思う。一年を通して戦略経営デザイン論がSTRAMDの道しるべとなって、持論の宝庫のような教室を整理しているのだ。
巷にはたくさんのビジネススクールがある。私は通ったことがないからわからないが、クリエイティブとマネジメントの両方に足をつっこんでいる自分にとってSTRAMDは最適な場所と感じる。そして、デザイン思考を持って経営を考えるという
時代の流れが、自分のような人間に追い風となっている自信を持つことができた。

修了まであと約2ヶ月。
迷っている暇などない。
まずはここで、STRAMDの教えに浸り、全てを吸収しておこう。
STRAMDの向こう側に拡がっている景色は、ここをきちんと通過した者にしか見えないのだから。

受講生の感想

記:高森 紗津樹

第43回 記:高森紗津樹

学生時代にアルバイトでプリンタの販売員をやっていた頃に、
お客さんが「デザインがいいからこっちがいい」と競合商品を選ばれて、
自分の売りたい商品に持ってくるまでに苦労したことが何度もあり、
デザインの重要性を肌で感じたのをよく覚えています。

そしてウエディングプランナーをしていた頃は、
チャペルのデザインが重要であるのはもちろんのこと、
ひとつひとつのインテリアや装飾品にストーリーをつけて
その式場がいかにドラマチックな場であるかを演出をすることが重要であることを学びました。

その時に気付いたのは、
お客さんはその商品を購入することで自分の生活や未来がステップアップすることを望んでいる、
つまり期待感を持って購入するということです。

デザインはお客様の期待感を高める力を持っていると同時に、
販売員のハードルも低くし、機能や性能という部分まで語れる余裕をもたらす。
そして売り場の景観をより美しく、楽しくし、購入者の生活を明るくしていく。。

デザインはあらゆる可能性を秘めている、
だからこそそのデザインを使いこなし、
本当は良いものを持っているのに伝えきれていない企業や商品に寄与したい、
そう思ったのがSTRAMDに通いだしたきっかけだったことを
今回の授業で思い出しました。

というのも今回の授業は盛りだくさんで、何をどう書いていいのか。。
色々と触発される講義でした。

授業中に中西さんがご紹介くださったことで
特に印象に残っているのは下記の部分です。

・プロジェクトを依頼されて考えること
 -期待を持って見られる企業
 -憧れを持って見られる企業
 -尊敬に値する企業

 ※そのためにどうすればいいのか。

そして

・ドラマトゥルギー(作劇術)
 -ドラマ型マーケティングマネイジメント
 -企業・事業目立ち際立ち作戦


商品レベルではなく企業レベルでその良さを引き出し、
最高/最大の演出(デザイン)のもと、
消費者の心にリーチし、ひいては売り上げにつなげていく。

クライアントの顕在化してないニーズを引き出し、
現未来、近未来、遠未来と中長期的戦略のもと実行していく。
その過程でどんどん外部(お客さん)を開拓し、
巻き込んで企業改革につなげていく。。

STRAMDに通いだしてもうすぐ8ヶ月が終わろうとしていますが、
やっとハイブリット思考とは何か分かりかけている気がする今日この頃です。

また今週の土曜日は公開講座で「現代中国デザイン事情と背景」がありますが、
これも非常に楽しみです。

あとNHKの放送大学でSTRAMDが取り上げられるそうです。。
まだ編集段階の映像を見させていただきましたが、
早速録画を撮りたくてたまらなくなりました。

講義の最後に言われた言葉、
賢者は歴史に学び、愚者は経験に学ぶ by ビスマルク
を胸に、仕事も勉強も遊びも精一杯楽しみ頑張ろうと思うのでした!!

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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