2016年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2016年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

ICT特論4

日付
2017年01月25日 19:00~
場所
デジタルハリウッド大学院大学
受講生の感想

記:林 裕也

ICT特論4

デジタルハリウッド学長杉山先生によるICT特論も、最終回の4回目となりました。

前回は「改めて触れておかなければいけないでしょう」ということで、スティーブ・ジョブズについてのお話でした。どこかでバラバラに得た情報ときちんと編集された情報は別物。個人的に大きな気づきを得られた回でした。

 

今回は「専門ではないがやはり触れねばならないでしょう」と前置きされた上でのAIのお話しでした。

ですが、脳神経を模倣する研究の変遷などから改めて丁寧に説明していただき、いま人工知能について知った方が良いこと、これから考えた方が良い方向性を確認できた、とても面白い講義でした。

 

コンピュータの進化のスピードは人間の想像力が及ばないほどの速さで進んでおり、2045年には全人類を超える計算力を得るが、巷で言われているような、とんでもないものが突然生まれるという話ではなく、単純にとてつもない計算力を人類が利用できる時代が来ると考えた方が良い、とのこと。

 

「何かを行うにあたって、人工知能の存在を初めから考えておいた方が良い時代が来ている」

 

という言葉が、現状把握としてすごく分かりやすかったです。お話にもありましたが、技術の進化が人の認識を追い抜く時代に差し掛かっている、そのことに対して意識的な態度でいないと、近い将来魔法のような技術をただ受容するだけになってしまうのかもしれません。

 

研究者の方が「完璧なAIが100%だとしたら、今のAIは1%にも満たないくらい」と述べている記事を読みました。

近い将来においては、AIにできることとできないことを把握してうまく活用できれば良いのかなと理解できるのですが、その一方、人間を超えた100%のSF的なAIの怖さも、僕には否定できません。人間の「意識や知」自体を定義すらできないのだからまだまだ先のこと、という話もわかるのですが、AIが自律的に進化することが可能になり始めている現在、一度人の手を離れたら、どのくらい進化しているかすら把握できなくなるのではないでしょうか。非常に高い知能と強力な力をもった存在が、人間社会の仕組みの中にいる。そのような、人と違う発生をしているものが、将来的に人と違う価値観をもった場合、どうなるのでしょうか。価値観や判断基準がわからない存在と共存できるのでしょうか?全く想像できませんが、目の前の問題とは別に考えなければならないことのような気がします。

 

また、講義を聞いていて思ったのは、AIは自然のように、良いことも悪いことも踏まえて付き合っていかなければならない存在なのかもしれないということ。杉山先生の「技術の進歩は止まらないから、前向きに考えた方が良い」というお言葉のように、技術とうまく付き合っていける社会になれれば良いと思います。

中世ヨーロッパの農業技術の進歩が後の社会の在り方を変えたように、この技術によって人間社会がどうなるのか。時代がどうなるのかではなく、どうしたいのかを考えるきっかけとなる、全4回の講義でした。ありがとうございました。

《STRAMD》

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