2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院 2011年度 カリキュラム@デジタルハリウッド大学院

ビジネスデザイン論5

日付
2011年12月01日 18:30~
場所
桑沢デザイン研究所
概要
どうやってエモーショナル価値をつくるのか
受講生の感想

記:奇二 正彦

第46回 記:奇二 正彦

今回で河野先生のビジネスデザイン論も最後となりました。

いや~面白かった!
ネイチャー、環境、教育などの現場で働いてきた自分としては、
視野が広がり、大局観が生まれ、足りなかったものをたくさん補えた実感があります。

先生が、ストラムド受講生のために開発したと言ってもいい、
EBD(Emotional Business Design)という考え方を聞きながら、
ふと、ダーウィンによるミミズの有名な研究を思い出しました。

ミミズは、土の中で生活し、時々地面に穴をあける。

しかし乾燥してくると枯葉などで穴を塞ぎ、最適な湿度環境をつくる。

それは、ミミズにそうした知性があるからだけでなく、
「土という情報」が、ミミズの振る舞いをつくったとも言える。

ある意味、河野先生が取り上げてくださった事例は、
そうした土作りに長けた事例だったとも言えます。
そこでふと疑問・・・ミミズと土は主客未分ですが、
ビジネスと人間では、人間が主なのでしょうか?それとも・・・。

さて、肝心の中身ですが、小島さんと分担ということで、
僕は「エモーショナル価値を作る8つのアプローチ」について報告したいと思います。

これだけで1冊本ができますねきっと。

気になるビジネスモデルはたくさんあったのですが、
アプローチ7「トータルな経験をデザインする」の事例、
mont-bellについて思った事を書きます。

mont-bell、好きなアウトドアメーカーです。
ストームクルーザーというレインウエェアによって、雨の登山も不快ではなくなりました。
ダウンベストも好きです。軽くて機能的で、形もいい。
しかし、今回はプロダクツ事例ではなく、イベントツアーについてでした。

各スタッフが自分の「とっておき感動スポット」を持っており、
それをツアービジネス化しているそうです。

早速HPを見ると、イベント項目があり、
M.O.Cという野外活動部門が、「キャンプ」「トレッキング」「海外ツアー」など、
16ジャンルのアウトドアツアーを企画運営していました。
面白そうなツアーが満載。年会費1500円で会員になると、ツアーも1500円安くなり、
さらにカタログ、会報誌他、様々な特典が受けられるので、何度もツアーに参加したい人はお得です。
なんと25万人ほどの会員がいるとか。これだけで数億円のビジネスですね。

モノを売るだけでなく、モノを使ってどういう経験をするのか。
そこにどれだけ本物の感動体験を提供できるか。
逆に言うと、モノがしっかりしているから、付加価値としてのツアーが生きるのかもしれない。
mont-bellがモノ作りをしてなくて、ツアーだけだったとしたら、ブレークスルーしないだろうか・・・。

いや、そういえばアプローチ6「エンターテイメント化する」で取り上げたABCクッキングスタジオは、
モノの無いビジネスで成功している。

どうやら商品を、モノ、非モノで分ける必要はなさそうだ。
つまりお客にとって価値であるかどうかが問題なんだという理解。

先生から教わったことを土台に、どれだけ自分の仕事や生き方と新結合できるか、
これからが正念場です。

河野先生、ありがとうございました。

受講生の感想

記:小島 寛之

第46回 記:小島 寛之

 最初に河野先生には心からお礼を申し伝えたいと思います。講義を受けた次の日に、たまたま職場の同僚と、近所に新しく出来た大型のショッピングモール(テラスモール湘南)内のABCクッキングスタジオの話題がでました。その時に「あそこなぜ人気があるのだろう」という会話になったのですが、自分が「「料理レシピやデザインの良さはあるけれども、それよりもお客さんが感動を覚えて次また来たくなるようなビジネスモデルになっているから。アップル製品と同じ感覚ですよ。最近、単なるものより「感動もの」のほうがヒットしてるんです」とシンプルに説明したところ、その同僚はすごく納得してくれました。一見何気ない会話ですが、実は、河野先生の講義を受けていなければ、恐らくこのような説明はすらっと出てこなかっただろうし、講義で聞いたことを最初からわかりやすく伝えて通じることもなかったと思いました。伝える人本人がデザインの良さを身をもって知っていなければ、その良さがうまく伝わらないように、本人が感動的な価値の良さを知っていなければ、相手にうまく伝えることができない。自分はずっとエンジニア畑で技術・コスト・品質を問われる仕事をしてきた人間だけに、感動の良さを心の底から理解し伝えることはできていなかったと考えるところ、それが少しでもできるようになったことは、講義を通して自分がエモーショナルな価値に重きを置く志向性を持つことができたことに非常に嬉しく思います。それだけ河野先生のキャラや講義内容がわかりやすくよかったこと、感動的な価値とはいかに素晴らしいことなのか、自分なりに受け止めたのでしょうが、講義そのものに感動していたのではないかと今では思います。そのような背景から河野先生やSTRAMDには感謝の気持ちで一杯です。

さて今回のブログは、奇二さんと分担で、自分は講義の後半「ブランドとか何か?」を担当します。

●ブランド戦略とは何か?
ポイント
・「中長期的な成長を実現しようとする経営戦略」
・「売上げを増やす」のではなく、「ファンを増やす」ことで成長を実現する戦略。
・ブランディングとは「ファンの創造」


●ブランド戦略の課題
-これからますますブランドが大事に。中小企業にとっても
-コミュニケーション戦略の効果で留まっているブランド戦略は少なくない。

●二期倶楽部の例
 http://www.nikiclub.jp/

●まとめ
・顧客や社員をいかに喜ばせ、楽しませ、驚かせ、感動させるかが、経営戦略の重要テーマ。
・エモーショナル・ビジネス・デザイン(EBD)とは、エモーショナル価値をテコにした経営戦略
・EBDの本質は、(実は)イノベーションを伴ったブランド戦略でもある。


以上までが講義の内容です。

最後に。自分が思う「究極のファン作り」
 自分は生まれたときから中日ファン。これは言い過ぎですが、物心ついたときから中日ファンというのは、親が中日ファンでそれを小さい時から見ていたり、中日グッズが身近にあったりというような環境が周りにあったということが大きい。これは、短期的な環境ではなくて、中長期的な環境の中で培われてきたもの。こういう視点からも一時的なブームではなく中長期的な環境が、いかに人の心の中に定着し、購買動機そのものが変わってくるかという身近な自分事例を思いついた時、河野先生の本講義の言いたかったことの本質に、心底納得しました。

以上

デジタルハリウッド大学院と連携5年目 2017年度第8期開講

《STRAMD》

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